たまの不定調性進行分析
ロシヤのパン / たま
日本が誇る最強のプログレッシブフォークロックバンド。いや、ジャンルで分けること自体無意味だと教えてくれるレジェンド。24世紀でも残ってるだろう、(実は)昭和平成の庶民文化の無意識の全てを支えていたようなバンド。
イントロはコードにならないんですが、あえて書くとすると、
AフリジアンM3,M7| % |% |% |
B |B |AフリジアンM3,M7| % |
G/B F/A |G/B F/A |G/B F/A |G/B F/A |
E/G# |F#m |% |
B |% |AフリジアンM3,M7| % |
B |% |AフリジアンM3,M7| % |
この曲の主となるコードはこのイントロの不思議なハーモニーによりA△なんでしょうが、b13とM7が同居しています。ハートをガッツリわしづかみされませんか?
強いて書くなら、AM7(b13)です。表記に意味はないと感じさせられます。具現化できることがとても大事ですね。
このサウンド聞くと、変な怖さを感じる人はいませんか?
どこか現代社会に即していない独自の意識空間で成り立っている人たちがいまだにそこに存在している感
への恐怖です。
恐怖というと具体的すぎますが、「自分の意識の中にある世界」ってこのくらい淫らと清楚が同居している空間じゃないでしょうか。社会だけが清楚であろうとしていますが、実際はそんなことはありません。
そういった「心は混沌だよ」って静かに教えてくれる貴重なバンドです。口汚い言葉で混沌を思い出させるメタルバンドとは違い、より高度で、良い巧妙な、洗練された(?)やり方です。
カッコつけても、かっこ悪くても関係ないよ。
感じるか感じないかを選んでるんだ、って訴えてきます。 それができない国民性になって久しいです。
この曲でもメジャーコードが和声単位=制作の起点となる和音となって作られている、と考えることもできます。
F#mへの流れは、ベースラインが下降していくので、音楽的に自然なまとまりを見せています。
イントロからAメロ頭のリフのわざとぶつけるような印象が、この曲のテーマになっているというか、妖怪のことでも歌っているようなメッセージがちゃんと具現化されています。
学校では絶対教えてくれない知識が、この演奏の中にありませんか?
表面的なものではなくて、それを生み出す意識や考え方の過程みたいなものです。
人は社会ではなく、大地に根ざしているのだ、というメッセージがブレません。
たとえば、この曲は、
|:B△-A△:|という流れでメロディを作るトレーニングなどが必要です。
I-IIの交換進行は「物語が続く感」、と私は感じます。
こういう印象が「コード進行の使い処」を把握させてくれるわけです。
売れようとしたり、いい曲描こうとしていてはできない行為です。
それを選択する信念と、それを覚悟する信念がこの時メンバーの皆さんに共有されていたのでは?と感じました。
IIがIにむかうことで、「だけどね、だけどね・・・云わなぁい」というような何か裏があるような、少しだけ不条理で奇妙な雰囲気を醸し出している感じにイメージを膨らますことができます。
あれ、、、この先ってまさか自分で作らんといけない感じ??
っていう恐怖を感じたら、そこが真のスタートラインなのかもしれませんね。
たま情報提供;マーサ
シンガーソングライター マーサのブログ♪