F.ショパンの不定調性進行分析
33, 12の練習曲 op.10-6 / Fryderyk Franciszek Chopin
Vladimir ASHKENAZY - Chopin Etude no.6 op.10 (1963) - YouTube
同じ作品10の変ホ短調の作品。
和音の低音で、ウォーキングベースのごとく旋律が動く不思議な練習曲。
Ebm7(11,#5) |Fm7sus4(b5) |
Ddim7(11,b13) |Dbdim7(11,b13)
B7(9,b5,13) |Bb7(b13,13) |B(#11) |
AbmM7(9,#5) Adim7M7(b13) |
Ebm7(11,#5) |Fm7sus4(b5) |
Ddim7(11,b13) |Dbdim7(11,b13)
B7(9,b5,13) |Bb7(b13,13) |
AbmM7(#5) Bb7(b5) |Ebm/Bb |
BbM7(b9,11) |Bb7(9,#11,13) BmM7(b9,#11,13) |Cm(b9,9,11) C7M7(9) |Gmadd9(11,#11) |
EM7(9) C#m7(#5,9,11) |F#m7(11,13) G#7(b13) Aalt |~
当然表記が無理です。
これがコーダルミュージックではない、クラシック音楽の美しさの根源ですよね。
アシュケナージの演奏が好きです。私のような初心者にわかりやすい美しさでした。
20年前にショパンの練習曲を全てコーダルに落とし込んだ経験があります(というかギター譜に)。これもその時の一曲。
この曲、和声音以外のゴロゴロする低音が、葉を落とした寂しげな大木の不可思議な独り言のように響きます。
原曲を聴くと、いろいろな印象を受けることでしょう。
ショパンだから、こう聴かないといけない!この知識がないといけない!
最低限のピアノが弾けないといけない!
とかって思わないでいただきたいです。もちろん専門的に引き込んでいる人の意見は貴重ですし、意義深いものがありますが、あなたにとっても最も意義深い意見とは、あなた自身が感じた意見だと思います。
あなたの人生はあなたの受け入れる情報によって成り立っています。体全体が感じた五感が全てです。「こう感じられるようにならないといけないんだろうな」とかって感じる必要はありません笑。
特に音楽なんて、ただの空気の振動なんですから。結局。
もちろん、それを芸能の域にまで達せられることも大したことではない、という意味ではりません。無意味なものを意味に昇華できる創造力、素晴らしいじゃありませんか。
だからこそあなた自身も自分の無意味な人生を、意味のあるものに変えてみようかな!頑張ってみようかな!って思わせてくれる芸術作品、というのはとっても素晴らしいものだと思います。
それだけなのですから、あなたに知識があろうとなかろうと、素直な裸の心で聞いてみて、いいなぁ、、って思ったら、そんなあなたを褒めてあげたい笑。
つい思っちゃうじゃないですか。綺麗な女性を見ると「いいなぁ」って笑。
その人に対する知識なんて何もなくても。
勝手にクオリアを想像しちゃうじゃないですか。
だからこそ男は女性を求め、生存できてきたわけですが我々人類は(なんの話じゃ)。
その本能みたいなものをそのほかのものにも向けられる余裕、それが「文化」だと思うのです笑。
私はショパンがいいなぁ、って思えるわけです。別に大した知識はありません。
でも無条件でいいなぁ、って反応しているから、きとこれは自分に合っているんだ!みたいに感じて、さらに想像力を働かせて聞くわけです。すると心がいろいろ動いて、生活欲求とか、創作意欲とか本当に湧いてきます。素晴らしい音楽だなって思えます。
でもそれがどの程度どうすごいのかなんて知りません。ピアノ弾けませんし。
Ebm7 |Fm7(b5) |Ddim7 |Dbdim7 |
B7 |Bb7 |B |AbmM7 Adim7M7 |
Ebm7 |Fm7(b5) |Ddim7 |Dbdim7 |
B7 |Bb7 |AbmM7 Bb7 |Ebm |
BbM7 |Bb7 BmM7 |Cm C7M7 |Gmadd9 |
EM7 C#m7 |F#m7 G#7 Aalt |~
こうしてテンションをはずしてもコード進行が一般的ではないから、まったくわかりません。
変ホ短調ですから、
Ebm7-Fm7(b5)-GbM7-Abm7-Bbm7またはBb7-CbM7-Db7
がキーを定めるコードになりますが、いろんなコードが挟まれており良く分かりづらいですね。
不定調性進行ですね。
またこの曲ではメロディと和声の絡み具合も、いろいろヒントになります。
この和音でその音使っちゃいますか、という音も、散々聴いているこの曲のサウンドだと分かると、何となく普段も使ってしまいそうになります。こういうのを総じて、拙論では「掛留概念の拡張」による和声変化、としています。
難しい言葉を使っているようですが、別にすごい話ではないので、無視してください。
CM7でやってみましょう。
<一音変化例 第一種静進行>
CM7→CM7(11)
CM7→C#m7(b5)
CM7→CM7(#5)
CM7→CM7(b5)
CM7→CmM7...etc
<二音変化例 第一種動進行>
CM7→C#dim7
CM7→C7(b5)
CM7→C7(#5)
CM7→Cm7
CM7→Edim/B
CM7→Csus7M7(#5)
CM7→B△/C...etc
ポピュラー的なライトノベル進行ではなく、「随筆的進行」ですね。
これをポピュラーに使えれば、新たな音楽の表情が生み出されるかもしれませんね。
コード進行を「規定の範囲」に収めず、クラシックの様々な実験的進行からいろいろ影響を受けてみる、というのも手だと思います。
ショパン以後の時代、えげつない進行はほとんどロマン派以降の作曲家によって作られています。ジャズやポップスはそこから借用しているだけ、と言われるぐらいです。