音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

「贈る言葉」技法。~ユーミン歌詞・コード考51

ユーミンの不定調性コード進行研究

ユーミン歌詞・コード考 / アルバム「TEARS AND REASONS」2

 

   

瞳はどしゃ降り


(ユーミンレポートより)


Aメロ(アルバム収録タイム 0:22-)
F/G |F/G |G/A |Dm7 B♭7|×2
Bメロ
E♭ B♭/D |Cm7 F7 Fm7 |F/G |F/G |
サビ
Am7 Bm7(♭5) E7 |Am7 D7 |Dm7 Dm7/G |
Em7 E♭m7 |Dm7 G7 |
Am7 Bm7(♭5) E7 |Am7 D7 |Dm7 Dm7/G |CM7 ~


分数コードが二つ続く停滞感でメロディを紡いでいる。ここにDm7-B♭7があるが、これは前曲のIII-Iと同じ流れであり、ユーミンにはこの進行感がどのような音楽的脈絡を持っているか、またその脈絡をいくつも持っていることが伺える(このB♭7と前曲のBのそれぞれの帰着感は異なる)。

サビはAマイナーが基調だが、短調感は薄い。全体もAマイナーが「お題」のように背景に隠れているように感じる。F/GはVI♭/VII♭と言えるし、G/AはVII♭/Iとも言える。BメロはB♭→Amに戻ると思わせて、裏コードのトニックであるE♭に流れ、そこから不定調性的にAmに戻る。

「コード感のデパート」とも言える楽曲。

 

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ミラクル

トニックにいかないようにするだけで、結構コード進行というのは、調を見失わせながら、連鎖させることができるものです。下記に例を作ってみました。

 

例:
Dm7 |Em7 |Dm7 |Em7 |
Cm7 |F7 |Dm7 |G7 |
Am7 |Bm7 |Am7 |Bm7 |
Cm7 |Dm7 |Dm7/G |% |

聴いたことありそうな流れを連鎖していきながら、不定調性感をコントロールし、歌詞のメッセージとつなぎ合わせます。

 

 

私らしく

二曲、いいとこ取りしてみました。

「私らしく」歌詞で使われる「~より、~のほうがいい。」は「贈る言葉」技法。

 

"悲しみこらえて 微笑むよりも
淚かれるまで 泣くほうがいい"
"信じられぬと 嘆くよりも
人を信じて 傷つくほうがいい"

 

できそうでできないって言うニュアンスが心の奥にふっとよぎるのですが、ああ、いいよね、って思える言葉になります。これでネタを作ることもできます。

そうやって表現は「技法化」していきますから、たくさん作ったり、読んだりしていないと技法の形骸化されたものを使い古すことになります。こういうところこそひたすら勉強です。受験勉強なんてしなくていいから、ユーミンの歌詞を一日一曲読んで絵日記書きなさい、という課題のほうが、将来起業するのに必要な脳のスキルが得られるはずです。 

 

TEARS AND REASONS