音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

短調に向かわないIII7;時をかける少女 ~ユーミン歌詞・コード考35

ユーミンの不定調性コード進行研究

ユーミン歌詞・コード考 / アルバム「VOYAGER」1

 

17,時をかける少女

 

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Aメロ
A---F#m---Bm7--C#7--F#m--Bm7--E7

このC#7であるIII7の違和感がなんともいえません。私にとってこのIII7は、「憂い系の流れにいくぜ!」と豪語する平行短調への和音と感じます。

 

ですが、つぎのGm7-C7で一気に長調に戻るラインを用意されます。
何だか不思議な展開です。時を駆けてるんでしょうか。やはり。

 

そしてサビ

F#m---Bm7--E7--AM7--GM7---F#m7--Bm7--E7--A
このGM7への進行があまりに自然すぎて驚きます。以前出てきた、フリジアンのIIbになっているのですが、本来AM7からVIIbというのはVIIb7にして同主短調への転調を示唆します。


しかしここではM7なので、完全にノンダイアトニックコードと化しています。

 

これは、
F#m---Bm7--E7--AM7
の、F#m7からの四度進行ですが、進行欲求として、

F#m---Bm7--E7--AM7--DM7---または
F#m---Bm7--E7--AM7--G#m7(b5)---または
F#m---Bm7--E7--AM7--D#m7(b5)
など様々な例がこれまでありました。


また、
F#m---Bm7--E7--AM7--DM7---GM7--F#m7や
F#m---Bm7--E7--AM7--DM7---GM7--CM7--FM7--
という展開進行も可能です。

 

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この枯葉進行は言ってみれば、ベースラインが規則的に四度で進行していくため、急進力が強く、調に留まろうとしない、という理解をしています。


一番有名なのが、五度圏、四度圏です。

CM7-GM7-DM7-AM7-EM7-BM7----
とか
CM7---FM7---BbM7---EbM7---AbM7---DbM7---

と、どんどん車窓が変わっていくような景色感(不定調性論的な表現として)を感じます。


こういう理解を進めることで、枯葉の四度進行でのドライブ感を様々な雰囲気で感じることができました。

 

メロディ的には、
F#m---Bm7--E7--AM7--DM7でも作れないことはありません。
しかし、ここはGM7を選択した、となったところで、そこからもとのキーに戻るために作曲のひと工夫を行うことになります。やはり時を越えて旅していますね。


F#m---Bm7--E7--AM7--(   )--Bm7--E7--A

間を埋めて楽曲を完成させよ、
という問題があったらあなたはどんなコードで埋めますか?

 

 VOYAGER

 

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