音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

歌詞に書かれたこととは違う別のストーリーがコード進行にある;キャサリン~ユーミン歌詞・コード考18

ユーミンの不定調性コード進行研究

ユーミン歌詞・コード考16 / アルバム「流線形'80」2

 

以前まとめたブログ記事を現在の不定調性考を用いてリライトいきます。レポートの語調が"である調"なので一部引用部分の表現はご容赦くださいませ。

各種レポートはM-Bankにお問い合わせいただければPDF似て無償で配布しております。宜しくお願い致します(日本音楽理論研究会にて発表も行いました)。

 

4,静かなまぼろし

 

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このフワーっとした感じは、伸ばす音のリズムでしょうか。
このような伸ばす音、というのは、追憶、というような印象を持ちますね。

 

5,魔法のくすり

 


良く聞くセリフ、と思ったら、出典はユーミンなのか!なんて思ってしまいました。


(ユーミンレポートより)


Aメロ~(アルバム収録楽曲タイム0:33~)
Bm Em |Bm Em |CM7 |B7 |
Em Em/D# Em/D CM7|Bm Em |A7 |D7 |
Bメロ
Cm7 F7 |B♭M7 |Cm7 F7 |B♭M7 |
Am7 D7 |B♭M7 B♭M7/A Gm7 |Em7 |A7 |~Aメロに戻る
=degree=
Aメロ(key=Em or G)
Vm Im |Vm Im |VI♭M7 |V7 |
Im Im/VII Im/VII♭ VI♭M7|Vm Im |IV7 |VII♭7 |
Bメロ
(key=B♭)IIm7 V7 |IM7 |IIm7 V7 |IM7 |
(key=Gm)IIm7 V7 |III♭M7 III♭M7/II Im7 |VIm7 |II7 |~Aメロに戻る


AメロはEmに留まるが、BメロでEマイナーキーから見たらVI♭mというかなり外れたコードを置いて増四度で主音を変える、という転調を行なっている。


またBメロ後半でもGmに転調するが、最後にEm7-A7というII-Vで全くつながらないままBmというメロに戻している。このへんも「キーに戻るために用いるII-V」と「メロディの雰囲気に合わせたII-V」の用い方がわけられており、ここでのCm7-F7はB♭M7を導き出すII-Vだが、最後のEm7-A7は深読みすれば、解決するBmの平行長調Dに結びつくのを想定しながらBmに流れる、というテクニックに感じられるかもしれない。

 

(中略)「解決進行としてのII-V」ではなく、メロディに必要なII-V としての進行感を活用できるようになれば、転調での戻り方の難儀やコード進行のマンネリ化は防げるだろう。

 

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用例;
Dm7 G7 |EM7 |


これを見てほしい。このとき、メロディをe音にする。


Dm7(9) G7(13) |EM7 |


という詳細表記になるだろう。このコード進行はII-Vの進行として適切ではない、と言われるかもしれない。

 

しかしメロディを紡げる人であれば、II-Vの進行感と、e音の共通音の連鎖と、G7→EM7の転調感全てにおいて「音楽的脈絡」を感じることができ、それを「自分なりのシークエンス」として活用できるはずである。こうした発想を、ジャズ理論を十分に学習した後に、それらの凝り固まった理論形態を解放するために、その応用論としての不定調性論を身につけて頂ければ、個々人の才能は伸びるべき方向に伸びていくはずであると信じている。

 

6,キャサリン


枯葉進行の曲なので、雰囲気が勝手に作られてしまいます。


歌詞に書かれたこととは違う別のストーリーがコード進行にある、という二重性を用いることができる楽曲形式です。

 

これは分かってやらないと世界観が作れません。

わたくし、無理だなぁ、、という感じします。

コード進行が持ってる都会性、冷たさ、切なさ、は歌詞では一切表現しないで、肯定的な歌を歌うことで、主人公の過ちを暗に表現するとか、そういう高等テクニック。

間違った人を愛して、本人はそれに向かって突き進んでいるけれど、実はそれ、ヤバい恋よね。アナタ全く気がついていないけど、、、みたなことを言わんとしようとするとか。未練がないって言って未練を表現するとか。。

 

そんな事できないでしょ、普通笑。。表現されても分かる人いないし笑。

そんなことポップスに誰も求めない、みたいなところもありますよね。

でも関係ないと思います。あなたがそれをやりたいならやればよい。やってみればいいじゃないですか。誰かに分かってもらう必要あります?あなたの人生じゃないですか。

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この曲だけじゃないのですが二重の意味をいくつも持たせるような「欲求」を感じます。才能がなせる業なのか、そういう性癖があるのか。いずれにせよ、薄っぺらい歌にならない理由はそういうところにあると思います。音色にクオリアや共感覚を当て込める人のテクニックだと思います。


また都会に吹く風のように9thをぶつけるヴォイシングが楽曲の雰囲気を少し荒涼としたものにしています。

 

こうしたサウンドが背景になると、言葉はもう勝手に装飾されていきますので、極端な話、意味のない似たようなニュアンスを持つ言葉を並べるだけで曲ができてしまいます。

 

作曲作詞が苦手だけど、雰囲気のある曲を作りたい、という人にお勧めするのはこの枯葉進行の曲です。

 

 流線形'80

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