音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

ユーミンの歌詞のリズムの魅力かな~ユーミン歌詞・コード考10

ユーミンの不定調性コード進行研究

ユーミン歌詞・コード考10 / アルバム「14番目の月」1

 

以前まとめたブログ記事を現在の不定調性考を用いてリライトいきます。レポートの語調が"である調"なので一部引用部分の表現はご容赦くださいませ。

各種レポートはM-Bankにお問い合わせいただければPDF似て無償で配布しております。宜しくお願い致します(日本音楽理論研究会にて発表も行いました)。

 

1,さざ波

 

 

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ユーミンの歌詞の秘訣の一つは、この七五調のようなリズムの良さ。

厳密になっていないアンバランスがニューミュージックの一番の斬新なところ。

もしちょっと古い感じの歌詞を書きたければ、言葉を少なくして、リズムよく言えるようなシンプルさを入れるといいかも・・。

ニューミュージックなんだけど、ニューミュージックってフォークミュージックの先にあるから、こうした進級入り混じった文化であって、どの世代の人もこの新しい音楽を受け入れやすいようなニュアンスを残している、というところが現代から見たニューミュージックの魅力であると思います。

 

 

2,14番目の月

この曲名、とても心がざわざわしませんか?

ユーミンはこの文字だけを見て、作ったようにウィキペディアに書かれていましたが、なぜでしょうか。

 

ユーミンの真意は分かりませんが、何となく分からなくもないです。共感覚的にはとてもざわつく言葉ですね。

 

「14番目の月」というのは、月齢で言う十五夜の前の、満月になる前の、いってみれば「成就間近」な月なわけです。いろんな意味を込められるし、いろんな解釈が可能だと思います。

 

そういうmake wordしていこうぜ。

 

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3,さみしさのゆくえ
(ユーミンレポートより)

Aメロ(アルバム収録楽曲タイム0:15~)
E♭M7 Dm7 |G7 |Cm7 F7 |B♭M7 D7 |
E♭M7 Dm7 |G7 |Cm7 Dm7 |Gm7 |
=degree=
(key=B♭)
IVM7 IIIm7 |VI7 |IIm7 V7 |IM7 III7 |
IVM7 IIIm7 |VI7 |IIm7 IIIm7 |Im7 |

ここでのキーは、B♭メジャー(B dur)だが、主和音の存在感は乏しい。


E♭M7のIV度感からIIIm7感を持つDm7に落ち、VI7に該当するG7で浮遊する。そこからII-V-IでB♭M7が現れるが、すぐIII7であるD7が短調感を出している。これらのG7やD7は、進行補助的に入ってくるのではなく、それぞれが持つ雰囲気が活かされ、主和音の重心を曖昧にすると、歌詞の印象からも、文章の最後に「だけどね」といった口ごもりのような雰囲気を感じさせ、それが曲調を作っていると感じた。


本来は、E♭M7 Dm7 |Gm7 |となる。暗くなるべきところが、G7によって「乾燥」を起こし、あとに続くB♭メジャーキーのII-VであるCm7 F7は、まるで別のキーのII-Vのように感じさせる。


また続くD7によって強烈に短調を指向するIII7が存在感を打ち出すが、Gm7には向かわず、またE♭M7に向かい、引き戻されたように次の歌詞へと続く。「おだやかな冬景色が なつかしかっただけなの?」もはや男はここで質問攻めにされている。主和音に戻れない感じが、どぎまぎとした空気を発する女性のそれとなっているようだ。


サビ
Cm7 | F7 |B♭7 |B♭7 |E♭ |F7 |Dm7 |Gm7 |
Fm7 |B♭7 |E♭M7 Gm7 |Cm7 |
Fm7 |B♭7 |E♭M7 |D7sus4 D7 |
=degree=
(key=B♭)IIm7 | V7 |I7 |I7 |IV |V7 |IIIm7 |VIm7 |
(key=E♭)IIm7 |V7 |IM7 IIIm7 |VIm7 |
IIm7 |V7 |IM7 |III7sus4 III7 |


ここではpivotコードを用いた転調のような最後になっている。最初はバイプレイヤーだったE♭が最後には主和音になってしまう、というストーリーは想像だが、こうした色合いの変化で同じ和音でも「主和音感」「IV度和音感」を持たせることのできる作曲家ならではの微妙な和声のグラデーション技法である。

 

 14番目の月

 

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