2018.2.14→2020.7.15更新
ビートルズの不定調性コード進行研究
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ビートルコードができるまでを探る〜Past Master/Cover 1
フロム・ミー・トゥ・ユー - From Me To You
初期のビートルズを象徴するような、シンプルな曲ですが、ジャズのII-Vが現れています。
Bメロ(0:32ー)
Gm |C7 |F |F |
Am |D |G7 |Gaug |~
という部分があります。
Shilver Beatlesで培われて来たサウンドが活きています。
それでもKey=CのときのVm-I7であるGm-Cは新鮮です。
これはジャズではIVであるFに向かうII-Vとして差し挟む王道パターンです。
このコードの扱いも、スタンダードナンバー(またはスタンダードナンバーに影響を受けたロカビリー)などから影響を受けたものなのでしょうか。
ずっと彼らのコード使いや選曲をみていると、そんな気がしてきますね。
どちらかというとミクソリディアン好きの感覚も作用してVmに向かったのかもしれませんね。II-Vとしては尺が長すぎますし。
抱きしめたい - I Want To Hold Your Hand
そして同じ展開を持っているのがこの曲です。
こちらの方が有名ですけど。この曲も展開部にVmが使われています。キーはGです。
Dm |G |C |Am |
Dm |G |C D7 | C D7 |C D7 |
これだけみたら、Cのキーの曲みたいですが、
G |D7 |Em |Bm |
G |D7 |Em |Bm |
と続きます。
このVmへの傾倒も感じられますね(ミクソリディアン的になる)。
もともとダイナミックな進行なので、そのダイナミックさをジョンがどのようなイメージを持って感じていたのでしょう。
アイ・コール・ユア・ネーム - I Call Your Name
これぞビートルコード進行の曲!ですね。
E7 |% |C#7 |% |
F#7 |% |B7 |% |
E7 |% |C#7 |% |
F#7 |A |E |% |
A |% |C#m |% |
F#7 |% |C |B |~
という流れです。
最初の部分のI-VI-II-Vの7th連続は象徴的ですね。このセクションの締めが、
F#7-A-E
というのもなかなかスリリングな響きを作ってくれています。
またサビのF#7--C-Bの流れも独特で素晴らしいと思います。
こうした感覚がこの頃からあったがゆえに、二枚目、三枚目ぐらいからあれだけ音楽的冒険ができたのかなぁ、なんて思ったりしてしまうのです。