音楽教室運営奮闘記

不定調性論からの展開紀行~音楽と教育と経営と健康と

ビートルコードはどこから来たのか、を考える~ビートルズ楽曲topic

2018.2.10⇨2020.7.18更新c

ビートルズの不定調性コード進行研究

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ビートルズができるまでを探る〜The Quarry Men

このブログで「ビートルコード」「ビートルズ的進行」と呼んでいるものが、果たして彼等の活動のいつ頃にその萌芽があるのかを考えるシリーズです。
残された音源を探りながら、考えていきたいと思います。

 

まずは彼らの最初のバンド「クオリーメン」から、

That'll Be The Day

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自主制作レコードのA面の曲は、バディ・ホリーのカバー曲です。

なんといってもバディ・ホリーが誰か、これを皆さん知らないといけません。

ロックバンドを作った人です。


これだけの説明で十分ですね。現在ある全てのギター二本、ベース、ドラム、という形態でバンドやってる人は全てこのバディホリーの恩恵にあずかっているんです。


さて、要約しておきましょう。
ポールの言葉通りです。
"3コード、バンド、立って楽器を弾くスタイル、ビートルズはクリケッツの真似から始まった"

です。。もう十分ですね。みんな彼に陶酔していたんです。
クリケッツとは、ホリーのバンド名です。

で、ビートルズが最初にレコーディングした曲は、というと、厳密にスリーコードではなく、

D |% |A |% |
D |% |A |E A |
D |A |D |A |
D |A |B | E |~

という感じで、キーがAの変形型ロックンロールです。

その中でBというドッペルドミナントがあるのが分かります。

スリーコードなんて概念も彼らのは最初からなかったのかも


さっそくきた!II△の洗礼!

ロックンロールにはこのIIはつきものですので、既にこの頃から彼らにはII△を持つ曲は書ける可能性を有していた、といって良いのではないでしょうか? 

 

 

In Spite of All The Danger

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そのB面の曲、これはポールの作品なんですね。
冒頭から、コーラスが綺麗に入ってくるあたりが、もうバディ・ホリーにはない魅力が感じられます。
というかかなり早期にいろんな曲を書いていましたから、その才能がいつレコードに出てくるか、ここではそれだけを追っていきましょう。

F |F |F |F7 |
Bb |C7 |F C7 |F |
F |F |F |F7 |
Bb |C7 |F C7 |F F7|

Bb |Bb |F |F7 |
Bb |Bb |C7 |C7 |

You tubeなどでも追えるので聴いてみてください。


コーラスの豊かさ、F7がラインに入ってくるコード進行の細やかさ(これ初心者が「こ、こいつコードに詳しい」びっくりするやつ)、C7のキメでのメロディラインの練った感じ、え?こっちA面でもいいんじゃないの?というぐらいの曲です。

 

「コードではなくコーラスや、ハーモニーで図抜けている」

そう思うよなぁ、、これ。

 

結構難しい曲じゃないですか?

コード面の才能も、F7がしっかり輪郭を持って表現されているあたりなど。これは知識というよりセンスですよね。

なかなか聴く機会ないと思いますので、「こうやってビートルズは生まれた」というストーリーを皆さん自身で作って、語ってみてはいかがでしょうか?