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音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

裏返しトニックマイナー終止~ビートルズ楽曲topics

ビートルズの不定調性コード進行研究

ほぼ全曲ビートルズのコード進行不定調性考察「The Beatles」4(2018)

10、マザー・ネイチャーズ・サン - Mother Nature's Son

 

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これは"裏返しトニックマイナー終止"の曲です。

普通は、
C-F-G-C
がCメジャーキーでの一般的進行ですね。

ビートルズは、これを
C-Bb-Eb-C
としたり、
C-D-G-C
としたり、
C-F-Bb-C
としてしまっていることはこれまでも説明しました。これは不定調性論で考えて頂く事で"なんでこんなことが可能か"という疑問をスルー頂けることでしょう。

 

この曲で使われているのは、サブドミナントマイナー終止法を応用した進行感の設置です。

C-F-Fm-C
は一般の曲でも見かける進行だと思います。

ビートルズは使っていませんが、不定調性の発想で、
C-Fm-F-C(逆サブドミナントマイナー終止)
とか、
C-G-Gm-C(ドミナントマイナー終止)
とか、
C-Gm-G-C(逆ドミナントマイナー終止)
というような変格進行が考えられます。

楽曲、後半部分に
D Dm7 |G/D D |
という部分が出てきます。これはDのキーなので、DとDmという二つの主和音が出てきます。


しかも自然に進行していき、違和感を感じません。

 

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機能和声でこの進行感を解説できるぐらいの知識がついて来たら、ぜひ不定調性的な発想で応用展開していってください。

 

下記の進行を見てください。
例;
Cm C |Fadd9 C |
Cm C |Fadd9 C(#11) |
Cm Caug |F C7 |
CmM7 C |Fadd9(b13) Cadd9 |C(#9)

 

これはCm C |Fadd9 C |のコード進行がベースになり、二段目からd#の音が半音ずつ上がっていきます。コード進行の常識が崩されていきますね。でもこれでもビートルズの二番煎じ、と言われてしまうかもしれません。

 

こうしたコードの考えに、コードネームは関係ありません。コードに書けないコードが出てきても怖気付くことはありません。


押さえたコードがどのようなヴォイシングをしているか、だけを考えましょう。
ビートルズがこれらの進行でも「音楽になる」ことを教えてくれています。


どんどん常識にとらわれずに展開してみましょう。

あなたが紡いだものが音楽にならない、のは、あなたの感性をまだ花開かせていないからです。

 

余り突飛な話ばかりしているので、いったんここで基礎に戻ってみますと、

意外と昔のフォークソングをマネしてシンプルなスリーコードで曲を創ってみたほうが、他人から評価されるかもしれません。

無理して難しい自分を引き出そうとせず、真似から入ってみるとポピュラー音楽に対する感覚は当然呼び覚まされます。また普通のスリーコードの進行で音楽を作っても「あなたらしさ」は当然出ます。出てきます。

 

最初は、難しいコードなど使う必要はありません。

1音程だけのメロディでもかまいません。

 

大切なのは、あなたが今、本当に音楽を作りたいと思っているかどうか、こちらの方が重要です。不定調性論は、ガチガチに機能和声を学び、週に1曲コンペに出し、ライブで何十曲も演奏するような状況にある人が「自分の音楽」について考える時の一つの拠り所です。

 

音楽は人それぞれやりたいこと、やってほしいこと、表現したいこと、表現してほしいことがバラバラです。だから要求される内容があなたを満たすことは稀です。

やがて惰性になってしまいます。

 

そこで、つねに「自分が何をしたいか」ということを実践できる息抜きの時空間が人生には必要になってきます。そしてもし自分の音楽をまだ追求していないのなら、これがとても困難であることを知るでしょう。その時助けになるのは、真のあなたを理解してくれる存在です。不定調性論はあなたがあなたでいることを認め、尊重します。

その状態にいつでも立てることが分かれば、普段の音楽も惰性ではなくなり、とても楽しくなりますよ。そしてその気分がまたあなた自身への追及も楽しいものにしてくれます。

 

これが最初からできる人が「天才」と呼ばれているのではないでしょうか。

 

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