2018.1.29⇨2020.6.27更新
ビートルズの不定調性コード進行研究
全ての記事はこちらから
ほぼ全曲ビートルズのコード進行不定調性考察「The Beatles」4(2018)
マザー・ネイチャーズ・サン - Mother Nature's Son
これは"裏返しトニックマイナー終止"の曲です。
普通は、
C-F-G-C
がCメジャーキーでの一般的進行ですね。
ビートルズは、これを
C-Bb-Eb-C
としたり、
C-D-G-C
としたり、
C-F-Bb-C
としてしまっていることはこれまでも説明しました。これは不定調性論で考えて頂く事で"なんでこんなことが可能か"という疑問自体をスルー頂けることでしょう。
この曲で使われているのは、サブドミナントマイナー終止法を応用した進行感の設置です。
C-F-Fm-C
は一般の曲でも見かける進行だと思います。
ビートルズは使っていませんが、不定調性の発想で、
C-Fm-F-C(逆サブドミナントマイナー終止)
とか、
C-G-Gm-C(ドミナントマイナー終止)
とか、
C-Gm-G-C(逆ドミナントマイナー終止)
というような変格進行が考えられます。
楽曲、後半部分に
D Dm7 |G/D D |
という部分が出てきます。これはDのキーなので、DとDmという二つの主和音が出てきます。
しかも自然に進行していき、違和感を感じません。
機能和声でこの進行感を解説できるぐらいの知識がついて来たら、ぜひ不定調性的な発想で応用展開していってください。
下記の進行を見てください。
例;
Cm C |Fadd9 C |
Cm C |Fadd9 C(#11) |
Cm Caug |F C7 |
CmM7 C |Fadd9(b13) Cadd9 |C(#9)
これはCm C |Fadd9 C |のコード進行がベースになり、二段目からd#の音が半音ずつ上がっていきます。コード進行の常識が崩されていきますね。
でも現代だとコード進行研究してる人からはこれでもビートルズの二番煎じ、と言われてしまうかもしれませんね。