音楽教室運営奮闘記

不定調性論からの展開紀行~音楽と教育と経営と健康と

IVmM7(6)~ What Goes onのビートルズハーモニー:ビートルズ楽曲topics

2018.1.26⇨2020.5.18更新c

ビートルズの不定調性コード進行研究

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ほぼ全曲ビートルズのコード進行不定調性考察「Rubber Soul」2(2018)

嘘つき女 - Think for Yourself

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Am |Dm |Bb |C |
G |% |
Am |Dm |Bb |C |
G |Am |
C7 |% |G7 |% |
Eb |D7 |G | % |


キーはG表記ですが、Vm、IIIb、IV7、VIb7、I7などが入り乱れています。
ジョージは根っからの不定調性進行使いですね。

簡単なコードしか並んでいないように見えます。

 

例は不適切ですが殺人事件が発生するのには必ず本人にしかわからないその当時のその瞬間に暴発した動機があります。

曲を作るのも同じです。「調をいろいろ行き来したカッコ良い曲を作りたい」んじゃなくて、この動きいいな、これでなんかできんかな?とかってムラムラきた結果できた曲がたまたま「長を行き来してかっこいい曲」のなっただけで、それは長を行き来しているからではなくて、やはりそのアーティストが作りながら感じたその動機やら感覚あらがそれを作ったのだと思います。

その結果時代と文化の進化に応じてドビュッシーみたいな曲を作りたい、とか不定調性な曲を作ろう、なんて動機が生まれたわけです。

 

その動機はうまく言葉にならない時もあります。そこで不定調性論では、クオリア、とか模様感、とかと言っています。あなたにしかわからない動機、それがしっかり心に生まれたら、あなたは曲を作ればいいんです。

それが結果としてどういう曲になるかはお楽しみ、まず作りながら感じて、作りながら方向性を決めてください。

そうしないと「無理して作った曲」になってしまいます。

 

愛のことば - The Word

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ジョンの不定調性楽曲です。
D7(#9) |% |% |% |
G7 |% |
D7(#9) |% |Em7 A7|Dm7 G7 |
D7(#9) |% |
D |C |F |G |

エンディング
Dm A7 |Dm7 G7 |D |~


なかなか凝っています。ブルージーに入り、II-Vの連鎖が現れますが、このII-Vも進行と言うより「効果」で用いられているだけで、そのままI7であるDに向かいます。
エンディングはクリシェのようになってますが、これがIをImにして始まるあたりが予測不能です。かつ曲としてしっくり来ています。
これだけ前半でコードが機能を超えて並べてあるからできるのでしょうか?

例;
I7 |% |IV7 |% |
I7 |% |IV7 |% |
Im ImM7 |Im7 IV7 |
I7 |% |IV7 |% |

なにか新しいブルース進行のようなものを作ってしまったような感じさえしますね。

 

ミッシェル - Michelle

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消えた恋 - What Goes on

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この曲は0:31〜ぐらいから
E |% |Am |% |
E |% |Am |% |

Am |B7 |E |% |~


IVmが効果的に使われています。


全体のコーラスを聴かないとわかりません。

リンゴのメロディをみるとIVmM7(6)のような全体の響きになっています。

 

なかなかジャジーな響きになるはずですが、コード感が全体にないので、ビートルズサウンドになっています。カントリー調です。

ビートルス聞いてからブルース聴いたり、カントリー聞いたりすると、肩すかしを食らいます。本家はめちゃくちゃ単純な構成です。 

ビートルズは、チャック・ベリーから歌詞に社会性を入れる、的なことを学んだりして、とにかく音楽を重厚に、つまらない刹那的で表面的なものにしない、という信念が底に流れているのでとても面白い楽曲が多いんですね。