2018.1.3→2020.6.22更新
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ビートルズの不定調性コード進行研究
ほぼ全曲ビートルズのコード進行不定調性考察「The Beatles」5(2017)
セクシー・セディー - Sexy Sadie
イントロ
C D |G F#7 |F D7 |
Aメロ
G F#7 |Bm |C D |G F# |
C D |G F#7 |F D7 |
Bメロ
G Am7 |Bm7 CM7 |G Am7 |Bm7 C |
A7 AbM7 |G F#7 |
半音で動くラインですね。
ポールも使っていましたが、このときのバンドのマイブームだったのでしょうか。
G-F#7-FでのF#7はC7の裏コードということもできます。
この半音下降のサウンドに「けったいな感じ」という印象が伴うことを、実感していたジョンが「おもしろい!」と思ったとき、それが裏コードであるかどうかとか、どうでも良い、となります。
その和音があなたにどういう感じを与えるか、その流れがあなたに何を表現しているかを理解できるのはあなただけです。不定調性論はその心象を優先して音楽を作ります。
またこのぼやけたピアノの音、偶然か意図的かは別にして、濡れて滲んだような、ぼやけてべろんべろんになったような、楽器の音色、リズムのグルーブ、声色、すべて同じように感じられると良いと思います。
曲の後半でも、
A7--AbM7--G--F#7
と半音下降を作っています。
ジョンの皮肉っぽさの表現がうまく、けったいな印象で表現されている進行だと思います。
ちょっと例を作ってみましょう。
例;たとえば、
C |Bb |Ab |G7 |
という進行があったとしましょう。
これを半音進行します。
C B7 |Bb A7 |AbM7 |G7 |
これと。
C Bm7 |Bb Am7 |AbM7 |G7 |
どちらがどんな印象ですか??
では、
C Bdim7 |Bb Adim7 |AbM7 |G7 |
はどうでしょう。
C Bm7(b5) |Bb Am7(b5) |AbM7 |G7 |
これは?
それぞれが風景を持っていませんか?
それとも何も浮かんできませんか?
模様でも、雰囲気でも、なんかガチャガチャしたもの、といった曖昧な表現もかまいません。最初はうまく表現できなくても気にしないでください。
言語で全てが表現できるはずがありません。言語は人工のものです。
しかしあなたが脳で感じたものは宇宙誕生以後から作られた脳内の物質が引き起こしたものです。それはまだまだ未知のものです。日本語は貴方にとって常には万能ではないんです。
時には絵や言語では表わない物を感じる時があるでしょう。
音楽家の場合旋律、音色、リズム等でそれを体現します。
脳は宇宙誕生の謎そのものです。
あなたの感覚は生涯誰とも共有できないかもしれません。そういうことを覚悟しておくと自己表現は本当に楽しいです。人は満たせずとも自分を満たせます。自分が満たせると、誰かを満たしてあげたいと初めて思うものです。
ヘルター・スケルター - Helter Skelter
ビートルズ的近未来ブルース。
ポールの声はまさに七色の声ですね。音楽のイメージがそれぞれの声色で表現されています。すごい。これが「I will」を歌った声と同じ人物か笑。
E7 |% |% |% |
E7 |G |A |E7 |
A |E7 |A |E7 |
という12小節のブルースが見えてきます。変わってます。
確かにこれ、スリーコードで作られていますが、へんてこりんなスリーコードです。
でも作ってしまって、売れてしまって、認知されてしまったものは仕方ありません。
「ヘルタースケルター」という音楽になってしまったんですね。
ブルースを教えるときに、オーソドックスな進行、すなわち。
I7 |IV7 |I7 |I7 |
IV7 |IV7 |I7 |I7 |
V7 |IV7 |I7 |V7 |
をしっかり叩き込んだら、自分なりの展開も「発明」してみましょう。
例えば、
I7 |I#7 |I7 |IIIb7 |
IV7 |IV#7 |IIIb7 |I7 |
V7 |IV7 |IIIb7 |IIb7 |
とか。何でもいいのですよ。「常識の枠」をいつでも外せる感覚を身につけ、そこに価値を感じる感覚も身につけておけば、流行に敏感な身体になると思います。ポピュラーミュージックではとても大切なことですもんね。
もちろんコードはセブンスコードでなくてもかまいません。
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