音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

(動画解説・補足)不定調性論全編解説7〜短三和音誕生前夜

今回はこちらの動画の解説です。

www.youtube.com

   

 

 

この動画は、もう見て頂くままの内容でございます。

機能和声的な特性を一旦フラットにすると、四つの「和声単位」がうまれ、それらを音楽を分析、構成する際の新たなパーツにすることができます。

 

ここで質問です。

アメリカのニューヨークでドの音が鳴らされたとしましょう。

そして

日本の東京でソの音が鳴らされたとしましょう。

 

二つの音はまるで同時に存在しました。

 

この二つの音のうち、どちらが基音でしょうか。

 

機能和声論を学習していれば、このとき答えがドの音であると答えるかもしれません。

でも状況をよく考えてください。

全く関係のない二人がたまたま宇宙的な同時刻に二つの音を発した時、それらの二つの音に序列が付くでしょうか。

 

「いやいや、それはそもそも音楽の和音じゃないから」

というかもしれません。

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じゃあ、

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こう音楽が始まったら、なぜこのドとソは序列をつけられるのでしょう。二次元に書かれているからでしょうか。それは常識に対する刷り込みではないですか?

 

。。。。

 

いえ、誰も序列など付けていません。

これは音楽の教科書が、どうしてもそういう教え方をしなければならかった理由があったのだろう、というだけで、音楽を聴いている人、学んでいる人は、別にどっちだっていいのです。その音楽が自分にとって意味があるか、ないかだけを瞬間的に聴き取り、自分の記憶のフォルダーに投げ入れていくのです。

 

でも教科書は、根音だ、ルートだ、ベースだ、と教えます。

家族ではお父さんが一番で、二番がお母さんで、三番がお兄ちゃんで、という話です。

あなたのご家族、お父さんが一番ですか?

 

せっかく学んだ概念も最終的には手放します。そこまでのステップを確実にする学びとしての機能和声論の君臨、というだけで、別にあなたがこの学びを絶対としなさい、とはどの法律の条文にも書いてありません。

 

だからこの伝統的学習を学ぶことを避けられないのなら、もう一つ「不定調性論的思考」をどなたかが教えてあげてください。

 

「音楽は感じたままを覚えてもいいんだよ」

と。

ニューヨークと日本でインターネットを介して演奏された二人の演奏があるとしたら、それはどこか感動できだと思いませんか?

家で友達と二人でセッションするのとはまた違う感動があると思いませんか?

テクノロジーを超えて、国境を超えて、時間と空間を超えて演奏されているのです。

その音楽が例え何時も聴いている音楽だったとしても、何らかのときめきを覚えるはずです。

そのトキメキは、そうした試みに対する試みであり、その感情もまたその音楽が作り出す感情です。演奏が始まったらその曲がいつもの曲だからトキメキが全く消え失せてしまう、ということはないでしょう。

 

だから二次元の上に書かれた和音の演奏と、国境超えた演奏で表現される二つの同じ和音は、違う印象を持っているんです。

そしてこの「同じ和音に違う印象」をちゃんと感じられる人の意識、ということがとても大切なわけです。

別にドとソの和音の根音はドである、と教えてもいいです。その代り音楽は序列ではなく、意識で決められるものだと、耳にタコができるまできかえてあげてください。

 

そうして初めて、いつも携帯している楽譜の上に描かれているCM7に対してできる限り新鮮であろう、という意識が作り上げられるのだと思います。

 

こうした実践的な意識の動きを音楽理論的な話に組み込むために、不定調性論は、根音という概念を考えません。和音が鳴った時、根音が自動的に定まり、意識の中で序列ができる、などということは考えないわけです。その音は常に分析不能であり、その時の自分がどんな風に感じるか分からない、とするわけです。

これは「未来は分からない」という意味でもあります。

モーツァルトのあの曲を聴くと、あんな気分になる、というような公式が脳内にはできているでしょうが、音楽はそもそもそんな風に聴くものではなくて、いつも食べるお気に入りの店のクラブサンドが今日はちょっとマヨネーズが多く、肉がちょっと大きくて最高!!!というようないつも新鮮な体験であってほしいわけです。

 

そのために根音論を取り除く必要があるため、仕組みの上でどのようにそれを取り除くか、を考えるために「上下の領域論」を用いています。

音楽の新鮮さを奪わないための意識の底辺を改革するための方法論であるわけです。

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