音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

101,Blue in Green

「Kind of Blue」の中からの一曲です。

   

 


Blue in Green by. Miles Davis

コード進行は単純です。

BbM7(#11) |A7(#9) |Dm7 Db7 |
Cm7(9) F7(b9) |
BbM7 |A7(#9,#5) |Dm6(9) |
E7(#9,#5) |Am(9) |Dm(9) |
~順次変化しながら繰り返されます。


テンションについてはBbM7(#11)のみ気にして頂ければ良いかと思います。

===
さらにテンションを省きます。
sec.1
BbM7 |A7 |Dm Db7 |

sec.2
(Cm F7 |)
BbM7 |A7 |Dm |

sec.3
E7 |Am |Dm |

sec.4
BbM7 |A7 |Dm |

これ弾いてみてください。基調はKey=Dmですが、BbM7がセンターコード(不定調性用語→楽曲の中心的和音と認識できる和音、主和音と違い特にキーを考えず、感覚的に重心が置かれたコード、というような認識)として機能しているようです。

 

もちろんB♭リディアン、Dエオリアン、ドリアンなど該当モードを細かく該当させることもできます。

メロディにテンションが使われている点も注目です。
モーダル、というのはビバップにない浮遊感だったわけですが、こうした使い方をすることで、II-Vがあっても、同じような雰囲気を出すことができた、わけですね。

(II-V自体が「調的重力」を感じさせるものなので、モーダル曲では絶対に用いないのがセオリーですが、モード開発者である彼らはすでにそうしたことをさらに展開して用いている、というのが面白いですね)

   

Dmをあまり強く出してしまうと、ただのDマイナーの重く切ない曲になってしまいます。洗練されていきません。

Dmはときどき感じさせる程度にして、VI-Vをバップ的な帰結進行のように機能させず、たとえば、

BbM7-A7

だったら、

IM7(key=Bb)-I7(key=A)

ぐらいの気持ちで、感じるようにして弾いてみると、ゲシュタルト崩壊のように帰結進行の呪縛から解放されるのではないでしょうか。


こういうことを思考していた時代の音楽なので、試行的に演奏すると面白い、みたいな指導を受けたことがあります。今となっては別にどう弾こうがよいのでしょうが、そのあたりの当時の野心的な感じに自分を持っていけるか、みたいなことが当時のマイルスの気概をこの曲を通してカバーする意味でしょうか。

また、BbM7→A7の感じがI→VII7の音楽的進行感を与えます。よく聞かれる、憂い、陰りのような感覚を覚える方も多いのではないでしょうか。


このIM7→VII7への進行感だけでも、雰囲気のある曲が作れると思います。ちょっとやってみましょう。

例;
CM7(#11) |B7 |EbM7(#11) |D7 |
FM7(#11) |E7 |Em7 A7 |Dm7 G7 |

という感じはいかがでしょう?モードはリディアン#2スケールを順次使えば良いでしょう。

www.m-bank.jp


後半はKey=CのIIIm7-VI7-IIm7-V7です。IM7(#11)-VII7が醸し出す音楽性や表現が自分の中に入ってくるでしょうか。

 

こうした感覚をあらゆるコード進行で自分の感覚を作り出すことができれば、様々な激しい転調曲も、その音楽の流れのストーリーを作り出すことができるのではないでしょうか。