音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

ほぼ全曲ビートルズのコード進行不定調性考察 アルバム「SGT.Pepper's〜」1(2017)

1、サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド -


The Beatles - Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band Full Album (1967)

0:01 - 2:01 Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band

2:02 - 4:46 With A Little Help From My Friends

4:47 - 8:14 Lucy In The Sky With Diamonds   

不定調性論という現代志向なコード進行論を用いたビートルズ楽曲研究では、従来のトニックやらサブドミナントやら、という抽象的な和音分析ではない楽曲解釈の方法を紹介しております。

 

これにより

「このコードの機能がサブドミナントだと分かってもしょうがない」

というところに自分の音楽模索が辿り着いた人が一気に、

「自分は何がしたいのか」

について向き合うことのできる学習方法になっております。

音楽理論の学習はボリュームも多く、難解で、一冊やるだけでなんかいろいろ分かったような気がしてしまいますが、そこには

「自分が何をしたいかまでは書かれていない」

のですよね。でもそこからがさらなるイバラの道、でも最高に楽しい本当の人生が待っています。売れるとか売れないとか、そういうことも大切ですが、その合間に「自分がやりたい事」があるのはとても素晴らしいことです。ストレスとかぶっ飛んでしまいます。ぜひ好きな音楽を学習する、という過程で自分自身を見つけてください。

 そのためにも私ども教育機関も頑張ります。

コンセプトアルバム

同アルバムでは、彼らの新しい音楽表現を自在に行うために、"仮のオーケストラ"サージェントバンドをアルバム中に誕生させ、その名を借りてビートルズは好きなことをやってのけています。
こういうコンセプトでアルバムを作ってみよう、という企画勝負に出たわけです。

それまでのタガが外れたように実験的な要素が盛りだくさんです。

 

全曲「ビートルコード」(他記事参照、メジャーコードの連鎖)がとても重要な意味を持って使われています。
実験的な進行を、コンセプトアルバムという店構えで発信することで、アルバムジャケットの雰囲気にマッチしたサイケデリックな音楽表現が堂々とできたのではないでしょうか。

若い方には今作りたい音楽の先の、誰も作ったことのない新しい文化そのものを考えて作って頂きたいです。

===

この表題曲は、
Aメロ
G A7 |C7 G |G A7 |C7 G |
A7 |C7 |G7 C7 |G7 |
C7 |F |C7 |D7 |% |
サビ
G7 Bb7 |C7 G7 |C7 |G7 |
G7 Bb7 |C7 G7 |A7 |D7 |~

という感じで、ブルース7thコードの印象と進行感を巧みに用いて、独自の「ビートルブルース(ブルースでもロックでもないビートルズ独自のブルージーを持つ楽曲)」を作っています。他のアルバムでも既出ではあります。ただ表題にするにはあまりにへんちくりんだったのですが、こうしたコンセプトアルバムではこれこそまさに顔に成り得る存在と言えましょう。

C7→G7はブルースの終止ですが、こういうものをちょっと挟むと急にブルースっぽくなり、前後の7thコードもブルージーを帯びてきます。

ジョージ・マーティンやポールはビーチボーイズの"あのアルバム"からこの辺の雰囲気をインスパイヤされたのかもしれませんね。

 

2、ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ - With a Little Help from My Friends

この曲も、
D-A-E
という進行がサビに用いられています。キーはEです。
つまり、
VIIb--IV---Iですね。
これもこのブログでおなじみです。

 

"悲しみはぶっとばせ"、"アナザー・ガール"、"悲しみをぶっとばせ"他、などですね。

これらの進行感を全面に出そうとすると、このアルバムジャケットのような世界観が見えてこないでしょうか?

またこの進行感を商業的な価値に変えることが出来た、という考え方は出来ないでしょうか。

ゆえにこうした進行の独自性が印象的で、「ビートルズ的な進行」というようなイメージが広がり、「ビートルズが全部作った」というような発想になってしまうのではないでしょうか。

     

3,ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ - Lucy in the Sky With Diamonds
この曲も同じです。
Aメロ
A |A/G |D/F# | Dm/F |
A/E | A/G |D/F# | F | F |
A |A/G |D/F# | Dm/F |
A/E | A/G |D/F# | D/F# | Dm |Dm/C |
Bメロ
Bb |Bb |C |C |
F |F |Bb |Bb |
C |C |G |G |D |
サビ
G C |D |G C |D |
G C |D |D |

ビートルパターンの連続打ちですね。最初はクリシェのようなコンセプトで下がってきます。不思議な話を理解してもらうために、語りかけるような印象になっていますね。
ビートルズ的進行への理解の第一歩はこうした機能論の先の音楽への積極的な自己解釈です。

自分の「自己解釈」何て意味がない、という方もおられましょう。

でも、他の権威の発言を真似ているだけで、いつになったら自分の音楽を発信できる体制が整うのでしょう。もちろんたくさん勉強は必要ですが、もうすぐ人が学べる学習範囲は超越する時代になってしまいます。知識はAIが担当し、人間は創造的な行為に移ることになるでしょう。そうなると「今何を勉強すべきか」というと、自分という存在を通してみる社会・地球・宇宙への理解、なのではないでしょうか。

 

機能や調の関係性だけで音楽を理解しようとするのではなく、「聴いた感じ」であなたがそれをどう創造的に感じるか、を具体的に述べられる強い理解力こそ「自分の存在を知る事」です。

これまで楽譜で書いて、記号をつけて来ただけだった音楽理解を、聴き手一人の「個」の理解のほうも同時に押し進めることで、結果的に、個性ある音楽を生み出そう、という発想です。

 

 

====
このFがVIb△としてふわっと上昇気流に乗るようなサウンドを作っています。この感じ、とても使えますね。
Bメロはまさに不定調性。コード展開が自分のギターフォームから生み出されるがままの奔放さが良いですね。結果としてサビはGメジャーキーに転調します。あくまで、結果的に。

 

Dは戻る時のAメジャーキーのIVですが、サブドミナント終止でAに戻ります。Eが良かったのかもしれませんが、このゆるい戻りがまたビートルコード的感覚に沿っています。

 

こういう「進行感」には、共感できる流れ、できない流れ、面白いとあなたが感じる流れ、感じない流れ、が区別されていくと思います。
また歌詞に着目したり、楽器の音色だったり、その音現象の洪水に何らかの「印象」「心象」「模様感」を持つと思います。そしてあなたが「共感できるもの」を使えばいいんです。どんなに偉い先生が何と言おうと、あなたこそあなたの主(あるじ)なんですから。

 

共感覚的な感覚をお持ちの方はなんとなくこうした和音お印象と感情が結びついて、自作でもその使い道が瞬間的に分かることでしょう。

その感覚を作曲や制作、物事の判断に堂々と自信を持って活用していくことで、自分らしく生きる方法も見つけていこう、というのが新しい音楽教育の柱になると思います。音楽は人を作るんです。決して主要科目から外れた一分野、というわけではないのです。特に音楽が好き!!という人には。

 

他の記事もご参照頂けましたら幸いです。

 

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不定調性動画解説。


音楽の教育現場から〜不定調性論全編解説1