音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

118,「土曜日の恋人」からの考察 / 山下達郎

「土曜日の恋人」からの考察 / 山下達郎

まずイントロです。
C#m7(11) |C7(b5,9) |Bm7 |Bm7/E |
C#m7(11) |C7(b5,9) |Bm7 |Bm7/E  (Am7/D)|
G#m7/C# |G#m7/C# |
で要約してみました。

   


これはf#をトップに維持する、という動機から作ることができます。

C#m7(11) C7(b5)はギターでよく使いますので、覚えて活用頂くと良いでしょう。
Dm7-G7-CM7を裏コードにして、
Dm7-Db7-CM7、そして
Dm7(11)-Db7(b5)-CM7
として、ギターなら、
Dm7(11)=(6弦から)10-×-10-10-8-×
Db7(b5)=9-×-9-10-8-×
CM7=8-×-9-9-8-×
など、ケーデンスで使えます。

ここでは、ケーデンスではなく、Bm7に流れます。


それにしても凄いリヴァーブ感ですね。海感といいますか、心地良い湿り気。

 

例えば同一タイプ和音の短三度という動きは、構成音がダイナミックにかつ適宜に変化するので、「がらりと雰囲気を変えたい時は短三度転調。」なんて覚えておくと良いと思います。
例えば、Cm7→Am7とすると、構成音の変化は、
c-e♭-g-b♭

c-e-g-a
と変化を整理して書くことができます。つまり、二音は同音を維持し、e♭はeに半音上行し、b♭はaに半音下行します。ヴォイシング的にもとても綺麗にハマります。

曲中も凝っています。

F#M9 |F#M9/D# |G#m7 |G#m7/C# |
F#M9 |F#M9/D# |C#m7 |F#7(9) |
BM7 |E7(9,#11?) |A#m7 |A7 |
DM7 |DM7 |G#m7 |G#m7/C# |
テンションも取って欲しい、と言うことなので、ここはとってみました。
テンションのサウンドは、楽曲のアレンジに添わせて自由に変えることのできるものであり、唄われる歌い手の感じと合えばOKだと思います。

またはこのテンション感に合わせるような唄い方や表現をしないと、逆効果になるかと思います(違う曲になってしまう)。
曲のエッセンスはこのテンションサウンドにありますが、ギター一本などで再現する時は、別にスリーコードでも、この空気感が出せる声の人はコードで補わなくても良いと思います(勇気がいります)。


上記のE7(9,#11)は良く分かりません。私にはなんでか#11みたいな、刷れ落ちていくサウンドが聴こえたので可能性として加えてみました。邪魔だと思ったら外してください。

この部分、分かりづらいキーなのでちょっとCのキーのかつシンプルな和音におきかえてみましょう。
例;
CM7 |Am7 |Dm7 |Dm7/G |
CM7 |Am7 |Gm7 |C7 |
FM7 |~
ですね。

 

この続きもCのキーで書き換えますと、
例;
FM7 |Bb7 |Em7 |Eb7 |
AbM7 |AbM7 |Dm7 |Dm7/G |
となります。

II-Vと裏コードの感じ、それからVIbM7の開放感を上手く用いることで、何重もの爽やかな感じが出ています。

 

(ふたまわしめ)
F#M9 |F#M9/D# |G#m7 |G#m7/C# |
F#M9 |F#M9/D# |C#m7 |F#7(9) |
BM7 |E7(9,#11?) |A#m7 |Eb7(b9) |
G#m7 |C#7(9) |F#M7 |F#M7 |
二回目はA7の部分が、Eb7になっているように思います。こうした変化によって一回目と違う時間の変化感を作る所なんか、ぜひ参考にしてください(ユーミン氏の作品にも見られましたね)。

 

そしてサビ(展開部?)で、最初にて提示した調の関係、AとF#の関係を用いて、Aメジャーキーに転調します。

AM7 |F#m7 |Bm7(11) |Bm7/E /D|
C#m7 |C#m7/F# |Bm7 |Bm7/E |
C#M7 |F#M7(9) |C#M7 |F#M7(9) |
Fm7 |EM7(9) |A#m7(11) |A7(b5,9) |G#m7 |G#m7/C# |

Fm7 |EM7 |A#m7(11) |A7(b5,9) |G#m7 |G#m7/C# |
C#M7-F#M7のキーがC#M7である証拠がIIIm7であるFm7によって示されます。ここからさらにEM7という「爽やかなIIIbM7コード」が挟まれ、F#メジャーキーのIIIm7であるA#m7に向かい、Bメロへの準備をイントロと同じ書法で作り上げています。

 

たとえば、イントロから最初に出来たとします。

そしたら、この書法を曲のどこかに移調して出してやるんだ、とか、どこかで思っていないと、間奏などで再利用できないと思います(逆の発想の場合もありますので、念のため)。

 

このイントロに工夫してつなげるために、C#M7のセクションを付けたのか、としたら、このC#M7のセクションができたことに興奮するでしょうね。ハマった!!みたいな。


ユーミンのところでも言いましたが「何がきても、どんな展開になっても、オレは意味のある方法でこの展開を元に戻してみせるぜ」という自信を感じずにはいられません。

そういう自信がつくまでひたすら作るしかないのですが、こういう偉大な先輩がいると、そこに僕らもいけるのでは!!??って思えるようなりますから、ちゃんと分析を教え込まれた若手からいいアーティストがたくさん出てくることでしょう。