音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

ほぼ全曲ビートルズのコード進行不定調性考察 アルバム「Help!」1(2017版)

Help! Beatles lyrics


The Beatles "Help" Live 1965 (Reelin' In The Years Archives)

(2013年10月の記事をリニューアルいたしました。)

1、ヘルプ! - Help!

不思議なコードの接続部分のある曲です。

   

イントロ
Bm | Bm | G | G |E7 |E7 |A7 | A7 |


Aメロ
A | A | C#m | C#m |F#m | F#m |D G |A |
A | A | C#m | C#m |F#m | F#m |D G |A |

サビ
Bm | Bm |Bm |Bm A| G  | G  | G  | G  D/F# |
E7 | E7 | E7  | E7 |A7 | A7 | A7  | A7  |


1コーラスのコードを書いてみました。

この曲の面白い和音は、イントロからAメロに入るA7→Aですね。

Bm→G→E7→A7
キー解釈はAなのですが、A7がブルージー7thのような匂いをさせながらも、D△に解決しそうなドミナント感も持っています。


でも曲はAで始まります。この進行感がとても面白いです。

 

これはBmが本来AのキーのIImだったところが、独立してIm的に扱われているからです。


サビの進行は、
Bm-Bm/A-Gと流れます。
このBmがBmのキーとA△のキーのpivotになってる訳ですね。共通コードです。

 

ゆえにサビの後半のE7はBmのIV7のようになり、「ドリアン感」を出していると思いませんか?
Bドリアンですね。

だからA7に行った時、Bmの平行長調であるDに行きたくなるんですね。

 

でもDに行っちゃうと、おかしくなります。
ちなみに下記を弾いてみてください。


イントロ
Bm | Bm | G | G |E7 |E7  |A7 |A7  |

 

Aメロ
D | D | F#m | F#m |Bm | Bm |G C |D |
D | D | F#m | F#m |Bm | Bm |G C |D |

 

サビ
Bm | Bm |Bm |Bm A|G  | G  | G  | G   D/F# |
E7 | E7  | E7  | E7  |A7  | A7  | A7  | A7  |

 

これうまく弾けますか?キーはバッチリあってるのに、「Help!」になりませんね。
Help!を知らない人は、普通に歌えるんでしょうか?

 

ドミナントをトニック向かわせず、ドミナントのままはじめて良い。

と遠回りに例示した曲としてロック界に君臨しています。

 

これは極端に解釈すると、

例;
C |Dm |G G7 |G ||


という進行を認めたようなものです。

 

つまりケーデンスの破壊です。


これが破壊されると、なんでもよくなるわけですから、痛快であると同時に混乱されるでしょう。

 

コード進行の拠り所が無くなる

わけですから。

 

ここでビートルズを学んだ人は気が付きましょう。

「自分が思うように作ってみていいんだ。」

「まず思うように作って思うように表現した後、売れなかったら自分のやり方を見直せばいいじゃないか。僕らは売れたけどねwww」

 

と言ったかどうか・・。彼等は20代前半。信じられない奇跡を彼らはどのような思いで体感していたのでしょうか。

 

ひとりではできないので、ジョージ・マーティンのようなプロデューサー、又は理解者を探しましょう。またはひたすら自分らしく発信して、どこかにいる理解者に届けましょう。そのためにインターネットを使おうではありませんか。

 

こうした発想で、覚えたコードをひたすら自分の聴感覚を信じて作っていくために自分の音楽的クオリア=音楽的印象、自主的な印象の構築方法を学んで独自性を強化していくのが不定調性論の方法論です。

     

2、ザ・ナイト・ビフォア - The Night Before

イントロ
D7 |% |F7 |% |
G7 |% |A7 |% |
Aメロ
D |C |G |A7 |
D |C |G |A7 |
Bメロ
Bm |Gm |Bm |Gm |
D |G |D |F G |
(×2の最後はD |G |D |D |)
Cメロ
Am |D7 |G | % |
Bm |E7 |A7 |% |~Aメロへ


まずイントロ、弾いてみてください。どんな印象を感じますか?
どことなく腰が落ち着かなく、何か「前の印象をひきずるような」または「その前にあるストーリーがあったような」印象を持ちませんか?
D7→F7は、まさに「疾走感」ですよね。
これって、いきなり目の前をスポーツカーが凄いスピードで横切っていった感じです。

こうした音楽への勝手な印象が「不定調性論的な音楽理解」になります。そこに理論が介在しないのです。といって理論的知識を持っている人はどんどん活用しても構いませんが、まず自分の印象感を大事にすること、そしてそれは他者とは共有できないことを知る事!!それが大事です。

 

このようななんらかの音楽的印象をこの進行にあなたが持てた、としたら、その感覚と同じものを自分の曲でそうした印象が欲しい時に用いれば良いのです。これがビートルコードの活用です。何も分からず、なんとなくカッコいいからオリジナルで使おう、とすると単純に「ビートルズっぽく」なるだけです。
この辺の活用は、ビートルズっぽくなるのを避けようとしているユーミンや、ビートルズの自由を拡張したスティービーワンダーの記事などをご参考ください。

これを頭のD7がブルーストニックで、F7はDmの平行長調のブルース7thだ、なんて機能和声的に解説をしても、あなたの頭の中に浮かんだ「疾走感」についての説明にはならない、と思います。なぜでしょう。あなたはあなた、機能和声は機能和声だからです。

普段からいろんな印象が浮かんでくるコードの連鎖を見つけます。

ここでは7thコードですが、これをm7で全部連鎖したら?
例;
Dm7 |% |Fm7 |% |
Gm7 |% |Am7 |% |

ではmM7だったら?
DmM7 |% |FmM7 |% |
GmM7 |% |AmM7 |% |

いかがでしょう?
こんな曲は,今後未来永劫一切存在する可能性がない、とあなたは言い切れますか?

つまり存在するものは、意味を与えられ得る、のです。

機能和声論はそこを明確に指し示そうとはしません。なぜなら既に存在したものしか分析しようとしないからです。この辺のからくりから、いかに自分の音楽的学習を推し進めていけばよいか考えてみて下さい。

 

====
この曲は、Aメロも
D |C |G |A7 |
で、
I |VIIb |IV |V7 |
です。ビートルズらしい進行です。

Bメロでは今度はIVmが出てきます。
Bm |Gm |Bm |Gm |
D |G |D |F G |
これって、

Bm |G |Bm |G |
D |G |D |F G |
でも弾けます。これもBm-Gmのクオリアがまた最初の疾走感を受け取るように疾走しています。
これもコンセプトなんでしょうかね。F-Gの流れも同じ印象を持ちます。

こうした進行の印象をポールは、声の出し方のイメージ、コーラスの色彩感で見事に「疾走感、またはその時彼らが感じた音楽的印象を」表現しています。

全体を通して「疾走感が無くなる」アレンジは一切していないように思います。
「こういう雰囲気にしようぜ!」というのが曲を聴いていて伝わってくるので、「このバンドわかってるなぁ」と感じるのは私だけでしょうか。

これだけ1曲1曲違う雰囲気を作ろうとするバンドも珍しいですよね。

 

さらにおまけはCメロのAm。
Am |D7 |G | % |
Bm |E7 |A7 |% |~Aメロへ
これってVmです。Vmはやりすぎだろ!!!?
とい感じるくらいスリリング。

そしてBmでVImに行き、II7-V7と調のイメージをうまくとらえてきます。

理屈ではなく、流れの中で生まれた雰囲気を重視して作っていくような感じは、現場的でもありますし、本来音楽の学生が最も重視して学び進化させるべき感覚であると思います。これは次のような状況を要約します。 

いくら準備しても現場で全て変わる。

です。最初はこれをたくさん経験しましょう。そうやって「あなたなりの音楽的印象」が鍛えられていくと思います。