音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

和音の印象について考える(2017)

音楽に対する感覚は、自分だけのものです。

あなたが聴いた感覚をあなた以外とリアルタイムで共有できる人など本来いません。

あなたは自分の感覚が他者と違っていても、その感覚を信じることが出来ますか?

通例、音楽の価値観を学校や先人から学習します。

しかし本来はあなたが行える音楽、あなたが好きと思える音楽には「範囲」があります。限界があります。人のからだが血液をはじめそれぞれの「型」で作られているように、あなたができる範囲、向かう方向性があるのだと思います。

歴史がどれほどその音楽を凄い、と言っても、あなたが賛同する義務などないと思います。よく考えれば分かる事です。

不定調性論はそうした感覚を研ぎ澄ますトレーニングを促し、独立個人が音楽で食べていく事を真剣に考えるためのツールでもあります。

今回はそうした「個の感性」を考えてみましょう。

   

 

<お題その壱>
CM7

 

このパーツのSeventhから△7を選んでみてね。

選んだら、画面下の「♪」マークをクリックすると音が鳴るヨ!


この和音、単品で弾くと、どんなイメージを感じますか?下記は私が考えた印象ですが、
「さわやか」「洗練的」「都会的」「すずやか」「さみしげ」「白色的」

などなど、皆さんも音楽的感性のある方は、もっと緻密にいろいろなクオリアを感じると思います。


では、たとえば、

こちらで音が鳴らせます。 

CM7 |AbM7 |EbM7 |GM7 |

というコードの流れに、どんな"感じ"を得ますか?

「うーん、微妙だなあ」

でしょうか。それとも

「あぁ、これは春のさわやかな風だね」

とぱっと印象が決められるでしょうか。

不定調性論は、後者のような人のためにある方法論です。

これは最初は、無理くり感じようとしないとなかなか出てきません。

 

<お題その弐>
Cm7

 

またはこちらで


先のCM7と比べると、
「さみしげ」「だんまり」「ひとり」「すきま風」「秋」
ちょっと淋しいイメージが多いでしょうか。

何でも感じたままを書いてみたりしてください。

しかし、これを並べると、

Cm7--Ebm7--Bm7--C#m7→最後にもう一回Cm7

 

 

又はこちらで音をならしてみてね!
としてみるとどうでしょう。

淋しい、というよりも「淡々とした冷静さ」とか「面倒くさい焦り」とか、より具体的な感覚になる方もおられるでしょう。

もちろん最初は「何か茶色っぽい印象」とか「何も浮かんでこないけどモヤモヤした感じ」というような印象でもOKです。

まず音を聴いて、何かを感じること、それが不定調性論では重要になり、それが音楽理論を超えた個人の緻密さを生み出すと同時に、「もっと真剣に音楽理論を勉強しよう」と思えたり笑、音楽性を研ぎ澄ます自分なりの方法を発見するでしょう。

 

     

 

<お題その参>
Cm7(11)

 

又はこちらで音を鳴らしてみてね!


いわゆるテンションコードですね。

一般的なそういう呼び名で考えてしまうと、なんだか硬いイメージがしてきてしまいますが、この和音は、大変柔らかいです。
「雨上がり」「静かな午後」「しっとり」「思い過ごし」「忘却的」
いろいろでますでしょうか。

 

どことなく空虚感がありながらも、暖かい感覚を残してくれます。
コードの難解さとは関係なく、単純にあなた自身がどう感じるかを「発明」していって自分の音楽の創造につなげてください。

 

<お題その四>
Cdim(M7)

 

またこちらで!
クリスタルコードですね。島岡先生の門下生の皆様にはおなじみです。凄まじくジャジーなサウンドですが、バッハの時代から使われているそうです。
どんなイメージですか?


「近代音楽的」「コンテンポラリージャズ的」「解決しない疑問」「水銀の味」
まさにきらきらとしたクリスタル、ですね。

2014年3月の音楽理論研究会発表では、これを「台座からずれた墓石」という発想から、ちょっとへんてこな小楽曲を作りました。

 

===
どんな和音にも、情感があります。というか、作り出すことができます。

 

たとえば、メロディ音にc音があったとしましょう。
そしてそれらのcの音を下記、それぞれの和音の一番高い音において弾いてみてください。

C△-Cm-Csus4-Caug-Cdim-CM7-Cm7-CmM7-C7-Cm7(b5)-B7(b9)-BbM7(9)-Bbm7(9)-A7(#9)-Am7-AbM7-Ab7-G7sus4-F#M7(#11)-FM7-Fm7-E7(b13)-EbM7(13)-Ebm6-D7-Dm7-C#M7

同じcでもこれだけの音色を背後に備えることができるわけです。

<音はこちらから順に(一部弾けないフォームもありますが参考までに設置しました)>

C△-Cm-Csus4-Caug

Cdim-CM7-Cm7-CmM7

C7-Cm7(b5)-B7(b9)-BbM7(9)

Bbm7(9)-A7(#9)-Am7-AbM7

Ab7-G7sus4-F#M7(#11)-FM7

Fm7-E7(b13)-EbM7(13)-Ebm6

D7-Dm7-C#M7-C

 

そうなると、和音が示すのは「調」ではなく「響き」であり、和声進行は「コード進行」ではなく、「響きの連鎖」であり「響きが作る言語」です。
自分の音楽性が見えてきませんか?

 

では「寒々とした灰色の空の湿り気」を和音四つで表現してみてください。
例えば、私なら、


CM7(b5) |Bm7(11) |A7sus4 |Db7(#9) |

 

またはこちら!
はどうでしょう。
メロディ乗せる必要ありますか?
これだけでなんか湿り気を感じちゃう人は、旋律乗せる必要がないかもしれません。

これをスリーコードでやってみると、結構マンネリしないんですよ。いろいろ自分の中に眠っている五感を呼び覚ましてみてください。自分を発見する、という感覚とても深いですよ!

 

こういうふうに考えながら音楽の常識を飛び越していって、自分の音楽を見つけるのはまさに「冒険」です。

ぜひ新しい音楽、創ってください。

 

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