音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

アラン・ホールズワースの楽しみ方(ハーモニー編)

ホールズワーススタイルについての勝手を申し上げてしまいました。
ファンの方のお叱りを受けるかもしれませんが、私も一ファンとして、それに甘んじ、勉強を押し進めて参りたいと思います。

(こちらもどうぞ。)

www.terrax.site

   


ホールズワースのもう一つの魅力、ハーモニーについて考えてみましょう。

これは不定調性論の用語におきかえると、"マザーメロディ"を用いたハーモナイズの方法論になります。

たとえば、ドーレーミーというメロディに対して、それぞれコードを当てはめます。

普通は、CM7-Dm7-Em7とか
Am7-Bm7(b5)-E7とか、になりますよね。この概念そのものを拡大させて、

D7-Fm6-B7sus4
とか、
B7(b9)-A7sus4-G7(13)
というように、調に規定されないヴォイシングでメロディをハーモナイズしてしまいます。
自分の感覚に合ったコードをどのように使うか、というところを研究するわけです。
(さすがのホールズワースもここまでの進行感の飛躍はないように思います。)


彼のハーモニーは大きな手を活かした、ストレッチフォームで押さえられていきます。
ギターは、横に広げれば広げるほど、サウンドがぶつかります。あのぶつかりがいいなぁ、と思ったら、もう虜になるのではないか、と思います。ただし簡単には弾けませんが笑。
また普通のフォームではなく、スプレッドヴォイシングがお好みのようです。ふわりと、広がるサウンド。あれだけソロが崩れを表現しているのに、ハーモニーはまるで雲をつかむようにふんわりです。これがバランスなのでしょうか。私は単に「そういう好みなのだろう」と考えます。
逆にジョン・スコフィールドのようなハーモニーとソロや、ジム・ホールのようなハーモニーとソロの組み合わせもあるのですから、それぞれの好みで聴いていき、自分で作れる人は自分の音楽を作ればよいだけのことです。


先の、
B7(b9)-A7sus4-G7(13)
は、不定調性進行です。独自に定めた用語で言いますと、
動和音→静和音→動和音
という流れの動進行連鎖です(教材をご参照ください)。

こうしたコード進行の時は、ソロは、
BフリジアンM3→Aミクソリディアン→Gミクソリディアン
となるのでしょうが、これで音楽性を失わず、抽象的ストーリーを作りながらソロをとり続けるられるようトレーニングします。一人でできれば良いのですが、難しければボイトレとおんなじでトレーナーと一緒にやってください。M-Bankでもサポートしています。

     

その手始めとして「部分的不定調性進行」の利用をお勧めします。

たとえば「枯葉」であったとしたら、通常は下記のコード進行になるでしょう。

Cm7 |F7 |BbM7 |EbM7 |Am7(b5) |D7 |Gm7 |G7 |
Cm7 |F7 |BbM7 |EbM7 |Am7(b5) |D7 |Gm7 |Gm7 |
Am7(b5) |D7 |Gm7 |G7 |
Cm7 |F7 |BbM7 |EbM7 |Am7(b5) |D7 |Gm7 |Gm7 |

それでたとえば二小節目のF7ですが、メロディはEb音です。そこで、Eb音を持つ特殊な和音をセッティングし、それを全体のF7に反映させます。

Cm7 |EM7 |BbM7 |EbM7 |Am7(b5) |D7 |Gm7 |G7 |
Cm7 |EM7 |BbM7 |EbM7 |Am7(b5) |D7 |Gm7 |Gm7 |
Am7(b5) |D7 |Gm7 |G7 |
Cm7 |EM7 |BbM7 |EbM7 |Am7(b5) |D7 |Gm7 |Gm7 |

というようにします。

EM7は反則じゃないか?とおっしゃるかもしれませんが、それは個人が定めたルールがどの範囲かをまず考えなければなりません。"音楽教育の主流にあるコード理論の範疇"などというのは幻想です。それに拘られるのも、離脱するも個人の自由です。
あなたの感性が「良し」とするなら使ってください。または自分の和音に変えてみてください。探してみてください。

ちょっと変なな印象を覚えるかもしれませんが、それは「枯葉」と云う曲の原曲の既存の感覚に縛られているからです。

だって「枯葉」じゃん、「枯葉」っぽくなきゃ変だよ。

ということからどこまで解放されるか、なのです。
「どこまで広げたら『枯葉』でなくなるか」
は、教科書や先生、知識人や人間国宝が決めるのではなく、あなた以外いません。
ホールズワースがそうであるように。

 

理論的機能や先例や、一般常識などに頼って「良い人」を演じてただ人が求める音楽をやるよりも、あなたの感性が何を言っているかを表現できる人になりなさい、とホールズワースは言っているのです。それがどれほど勇気のある事か、三年も音楽をやればわかるでしょう。そしてほとんどの人はできません。そこに信念が置ける人がもしいたら、一緒に頑張りましょう。不定調性論もいわばそういう思想の類です。

 

またAm7(b5)-D7というのは、結局D7ですから、ちょっと知的にDオルタードドミナントスケールから作れるEbmM7を長めに配置してみます。

Cm7 |EM7 |BbM7 |EbM7 |EbmM7 |% |Gm7 |G7 |
Cm7 |EM7 |BbM7 |EbM7 |EbmM7 |% |Gm7 |Gm7 |
EbmM7 |% |Gm7 |G7 |
Cm7 |EM7 |BbM7 |EbM7 |EbmM7 |% |Gm7 |Gm7 |

だいぶ雰囲気が、っぽくなってきます。

これが新しいリハーモナイズなのだ、とまず信じることから、新鮮なハーモニーの開発が始まるのではないでしょうか。

あとは、もちろんこうしたハーモナイズに対して、どのような理論的根拠なり、自身のアプローチなりが確立されるかどうか、ですが、これは別に差し迫ったものではないので、まず、こうしたハーモナイズで「やってよい」ということを理解して「それが自分にとってスリリングかどうか」をじっくり見定めるところからやってみてはいかがでしょうか。その根拠は不定調性論の教材に書きました。

====
で、この先、があります。
これは別件ですが。

C7M7
とか
Cm7(10)
とか
CM7(sus4)
とか、貴方自身がコードネームにないサウンドをモードから作る楽しみを持てる人なのかどうか、ということにもなります。

さらに、
c-d-f#-b
とか
c-c#-g-b
とか
もはやコードネームで書き表すことのできないサウンドも生み出せるでしょう。
これもヴォイシングの横の流れ上、けっこう「仕方なく」出てしまう場合があります。

たとえば、CM7=c,e,g,bの構成音のうち、一つを半音をあげ、一つを半音下げると、

c#-e-g-b♭
c-e♭-g#-b
b-e-g♭-b

というような変化をします。これはコード進行を考えているのではなく、ヴォイスリーディングを考えた結果です。

貴方自身が弾いて楽しい、美しいコード進行を探す、という作業は、既存の音楽理論を学習する事と同等以上に大切かと思います。
ある程度理論を学んでおく理由は、「新しい発見をした!!」と思って人に聴いたらただのII-Vだったなんてことをなくすためです。

===

ホールズワースは何を聴けばいい?

彼の感性的な側面がガーーーっと出るのは、けっこうゲストアルバムだったりします。彼がまだチョーキングしていたころの名盤。これはね。

買って。現ナマを持ってて。

一曲目がもう人間の手じゃないから。AIだから。

www.youtube.com

 

 

 

  

マーク・ヴァーニー・プロジェクト/トゥルース・イン・シュレッディング

この辺も良かった。神だった。神になってしまった。これも持っておいて。飾ってあげて。

ギャンバレとのコラボ。レガートとスウィープの共演ですよ。対比が良いじゃないですか。

カッキカキとモッフモフの饗宴ですよ。

ギャンバレもちょっと研ぎ澄まされすぎててヤバい。

 

www.youtube.com

 


<参考>
■ALLAN HOLDSWORTH RESHAPING HARMONY
■REH VIDEO Allan Holdsworth Booklet
■Melody Chords For Guitar by Allan Holdsworth

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