2017.8.17-2019.8.10(更新)
固定観念が外れる創造的思考法
作曲においてマンネリ化して作曲がうまくはかどらない、というような気分になることもあるでしょう。この気分の打破も「作曲学」の一部ではないか、と思います。
今日の著書はこれです。
<参考>エハン塾 - YouTube
さてこのデボノ先生の偉大さは、調べていただければわかるので省略いたします。
最初に出てくる少女と商人の一節から。皆さんも考えてみてください。
ワル知恵の働く金貸しが借金をした商人に「娘をくれるなら借金を帳消しにしよう」といい公平にくじ引きで決めることにしました。空っぽの財布に黒・白の石を入れ、娘が取り出した石が白なら、借金帳消しで娘も解放する、という問題で、商人はズルをして黒い石を二つ財布に入れたのを娘は見逃しませんでした。
さてあなたが少女なら、この危機をどう切り抜けるだろう。
答えを考えてみてください。
ここで筆者は通例の思考について述べます。
・小石を取り出すことを拒否する。
・財布に入れられた小石は二つとも黒であることを示し、金貸の不正を暴く。
・黒い小石を取り出し、自分が犠牲となって父親を監獄行きから救う。
と考えるのではないか、と述べます。
この時、思考にあるのは、自分が取り出す小石について思考が働いている、というわけです。
水平思考とは、「見方を変える」「固定された思考を疑う」という癖を日頃からつけることで、様々な視点を見つけ、最良のシンプルな答えを見つけていく、ということを諦めない、ということです。
つまり答えは「財布の中に残った石について考える」ということです。
「あらゆる見方を探ること」が大切で、「問題は必ず解決する」と考えること。
ここにはいろんな要素がありますね。訓練も必要です。ポシティブシンキング、ということの重要性はもちろん「ではどう考えて状況を好転させるのか」ということについてとことん考えられるか、ということですよね。この方法をどのように会得していけばいいか、ということについて書かれた本です。方法論については著書から読み取ってください。ここでは書ききれません。エッセンスだけを書かせていただきます。
そうした思考ができる少女は、金貸しの言う通り、小石を一つ抜いたのだが、うっかりを装って、小石だらけの道に石を落としてしまう。小石は他の石とまぎれてしまいどれがどれだからわからなくなった。そこで
「まあ、私ったらなんてことを」
「でも大丈夫。財布の中に残っている小石を見れば、私が選んだのが黒か白かわかりますもの」
と言えば、商人は自分の不正を認めるはずがないから、少女を解放するしかない、というハッピーエンドになる、と言うわけです。
これは「通例なら助かる可能性は50%だが、相手が不正をしてくれたおかげで自分が助かる可能性が100%になる」と言う寓話です。
音楽制作においても、楽器の練習においても、最高の曲を作ること、上達することが目的ですが、まず目的を疑い、方法を疑い、トライしてみる、うことで音楽を考える、という十分新しい学問が一つできてしまいそうな気がします。
続く。