2017-8-10→2019-8-9(更新)
参考
例としてディープ・パープルの「smoke on the water」のイントロのリフを思い出しましょう。
Smoke on the Water, a song by Deep Purple on Spotify
あのリフはいわば四度の押さえ方でできています。
四度のパワーコード、「パワード4th(Powered Fourth)」です。
最初の音をTAB譜にしました。
四度和音云々というより、「押さえやすいから」浸透している感あります。
しかしれっきとした四度の和音の連鎖です。
"いやいや、そんなのたまたまそれになっただけで、お前らがそんな深いこと考えてやっとるわけでじゃないだろ"
的なイメージを与える人がいるかもしれませんが、おそらくそれは大きな偏見です。楽器の特性、振り下ろした時のパワー、鳴り、素早い移動、などがハードロックを五度と四度の音楽にしているんです。それをたまたまというのは、ラベルがボレロ完成できたのも、病気になったからだろ?たまたまだろ?と、ということになります。
ハードロックは三度でリフを刻まない、っていうのはある意味では、気合と魂であり、ある意味ではガチガチな音楽理論でもあると思います。
四度≠五度
不定調性論では、四度和音を、五度がひっくり返った和音だと捉えない、としてます。
ちなみにこのリフをいつもの五度のパワーコードにして弾いてみてください。
この形であのリフを弾く。
なんか違う感じがしませんか?重さというか、濁りというか。広がり感というか。
この違いを感じられることが大切です。
どちらが音楽的に正しい、ではなく。
あなたにとってはどっちがいいかを、選ぶだけです。
パワードフォースを弾くときは、あ、これも四度和音だな、みたいに一瞬感じてもらえれば、ポピュラーロック音楽理論的思考、とも言えます。
四度和音はm7系表記?
さらに突っ込んでみましょう。
モードジャズの先駆け"So What"でビル・エヴァンスが用いた四度和音(的な)イントロバッキングが有名です。「ダーッダッ」と無機的に繰り返されるピアノですね。
So What, a song by Miles Davis on Spotify
この0:35-からのピアノの伴奏です。
ここでは分かりやすくCm7から始まるようにして解説します。
音で言うと、低音から、
c-f-b♭-e♭-g
↓
b♭-e♭-a♭-d♭-f
と流れます。これをコードネームにすると、Cm7(11)→Bbm7(11)です。
厳密な四度ではないですが四度的なコンセプトは伝わってきますね。
ギターで弾くと一直線。
これはBbドリアン内のモーダルハーモニー、
IIm7(Cm7)→Im7(Bbm7)
に振り分けられます。モードジャズの誕生です。
しかしコードネーム表記で「Cm7(11)」と見てしまうと、マイナーな響きだ、とイメージしてしまいませんか?
これはコードネームシステムの限界を表わしています。
表記がないのでマイナーコードをベースとする表記で代用しているだけです。
続いてもう少しだけ詳しい四度和音と不定調性論の話。