音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

斜め上のジャズ理論問題集3

意外と文字数が増えてしまうので、設問を一つに絞りましょう。

 

Q、下記のダイアトニックコードで使えるテンションを述べよ(IM7なら、9th,13th、※#11thも使えるが、ここでは例外とする、ぐらいの範囲で考えてくだされ)。

答えは記事の最後。

IIIm7→ 

 

VIbM7→

 

VIIb7→

 

VIIm7(b5)→

   

 

簡単でしょうか。難しいでしょうか。

感覚で弾いている方は、きっとなにそれ、覚える必要あんのか?という感じでしょう。

またこれがちんぷんかんぷんの人は今まさに理論を学習している学生さんか、勉強やっているようで全く頭に入っていないかジャズには興味がないか、です。

 

この問題も「答えられても別に音楽が出来るようになるわけではない」です。

 

テンションとは何か、なんで必要なの?

という意味では、

1、ジャズのヴォイシングの伝統の側面

2、響きの装飾

3、学習のコマを使うために効率のいいテーマ

という三つの側面において、いかにも覚えなければならない、みたいになっていますが、はっきり言います。

 

曲もまだ書けないのに覚える必要などありません。

 

1の側面はスウィングジャズのホーンセクション4声展開で使われた手法をコード表記のレベルにまで還元させたものが「テンション表」であり、極論までシンプルにした理屈が2、です。

でもこれはあくまで「映画のあらすじを読んで映画を見たような気分になってる」だけです。

またカレーを作れるようになりたくて料理教室に行くと、料理人が作ったカレーの鍋を受け取って、ご飯の上に掛ける作業だけやらせてもらっているだけのようなもので、それだけでは実はカレーの作り方はいつまで経ってもできるようにならないのです。そしてカレーを作る人(先生)に頼る毎日になり、それが2年続くと、先生のスキルで人生が決まってしまいます。バリバリ外部に発信できる凄腕の先生だったら、どんどん出世できますが、そうではないと何もできないまま卒業する羽目になります。学習者はまずそういう教育体制を変える意識でカレーを作れる人にならなければ先生から学ぶことを辞められないのです。

 

「そのテンションがなぜここで使えるのか」を勉強しないとテンションの学習は意味のないものになります。

音程→和音→音階→コード進行→テンション

みたいな学習ステップで通例進みますね。これは、

CDを聴いて感銘を受ける→コードを覚えてコピー→見よう見まねでアレンジまたは作曲→行き詰まって理論の勉強

というステップで来ている、という暗黙の了解があるから、「そう、ここで俺、音程の勉強とかすっとばしたんだよ」と言って抜けているところ埋めていくわけです。

でもそれはかなりユーザーに頼った学習ステップです。本来は、

CDを聴いて感銘を受ける→コードを覚えてコピー→見よう見まねでアレンジまたは作曲

というところも学校の教室でシミュレーションしないと「なんかよくわからないけど今日短三度っておぼえてきた」みたいな話になります。

 

学校での勉強は「感動の連続」でなければなりません。

これは「独学する力と意義を学校で見つけてもらう」ということです。

先生が教えるのは知識ではなく、勉強の面白さ、新しく何かを知る興奮を教えることだ思います。

 

なぜなら、

知識はスマホで検索できる

からです。 

 

これを未だに無視している先生もいます。

スマホでは学習できない、勉強はできない、と思っているのでしょう。

それでは、頭の良い子が学校に行かなくなります。そうなると学校の存在が社会の落ちこぼれを生まないようにするための軍隊にならざるを得ません。そうなるとまた厳しい体制を敷かねば人は学習せず、それを怠れば学校の責任で落伍者を作り出すことになります。そういう厳しい体制に反対をする人も多い昨今、学校はどんどん大変息苦しい場所になります。

皆が勇んで集まる場所、に変われるかどうか、ですよね。

スマホを見ながら解いても解けない問題を出して考える力を伸ばさなければいけません。

 

そのような意味で、楽器の演奏はネットで検索しても直ぐには得られないスキルですから、これからもっと稀有な能力になっていくでしょう。楽器を練習しましょう(←ワタシもな)

 

<こたえ>

IIIm7→11th 

(解説) フリジアンのテンションです。他b9th、b13thはどれもコードトーンに半音で接しているため不協和になるか、他の和音を示唆してしまい、元のIIIm7の響きを失わせるので用いない、と考えます。

 

VIbM7→9tn,#11th,13th

(解説) リディアンのテンションが該当します。エオリアン上の通常の短調のダイアトニックコードです。

 

VIIb7→9th,13th

(解説) ミクソリディアンのテンションです。この和音の機能はサブドミナントマイナーです(トニックiからみたivとvibを持つため=キーCmのとき、Bb7=b♭,d,f,a♭)。よってドミナントのような7thコードですが、オルタードテンションは載せない、とします。

 

VIIm7(b5)→11th,b13th

(解説)ロクリアンのテンションです。その他のテンションはIIm7同様、コードトーンに半音で接するため、用いません。