音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

ネガティブハーモニーと不定調性論2

ネガティブハーモニー概要〜

   

記事その1はこちら

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新しい音楽方法論、、と聞くと、まるで新しい最新型のプラグインシンセやエフェクターに対する期待感のようなことを感じるかもしれません。それは、プリセットが25000くらいあって、AIが自動制御して軽くて使いやすくて見た目かっこよくて音がいい、みたいなのを勝手に想像しませんか笑

でもネガティブ・ハーモニーというプラグインはアナログ機器で、かつ音色は1種類しかない単体のエフェクター、またはシンセだと思ったほうが良いでしょう。

 

だからこの"機器"は既にいろいろエフェクターやシンセを持っている人が、飛び道具のエフェクターとしてファッションで用いる機器(方法論)のニュアンスに近い、と感じました。自分の音楽性に主たるものとして使う、という方がおられてももちろん否定はしません。

 

例えば、ミラーコード的な方法でまず考えてみます。

 Cメジャーキーで利用できるCメジャースケールは

c(全)d(全)e(半)f(全)g(全)a(全)b(半)c

ですが、この音を別の音組織に「写像」させてしまうのがネガティブハーモニーの基本原則です。

例えば、CメジャースケールをFメジャースケールに変えたら「転調」ですよね。

先の音階を下記のような各音程差が同じ下降系の音階に切り替えたらどうでしょう。

c(全)b♭(全)a♭(半)g(全)f(全)e♭(全)d♭(半)c

 

これは結局Cフリジアンの下降系です。

c→c

d→b♭

e→a♭

f→g...

の対比でもC△とCmの対比が作れて綺麗です。

上下の音を「交換」するわけです。

これ写像先を覚えておかないと即興とかでは瞬時に対処できません。コルトレーンお譜面を初めてみせられたトミー・フラナガンの心境です笑。

 

下降する音階でc,e,gに対してピックアップされるのはc,f,a♭ですが、この関係性は「下方倍音」と銘打たれた音の種類です。知らず知らずに下方倍音の対応を使っていることに気がついているでしょうか。これは数理で成り立っているからです。

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ネガティブハーモニーを使う人も、下方倍音の音を容認して使っている、という理解になりますのでよくよく考えてみてください。

F→Fm→C

というサブドミナントマイナー終止にすでにFmとCは現れます。これは同主調からの借用、と答えるかもしれませんが、同時にcを中心にしたミラースケール(不定調性論;ベルトチェンジ)からできる和音でもあります。この進行の解釈はFから一旦cのミラースケールに変化し、また正格の位置に戻ってきた、という発想でも良いわけです。

そう解釈しないのは、そう教えられていないからです。

まあここではあまり重要ではないことなのでスルーしてください。

 

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前置きが長くなりました。

ネガティブハーモニーが作った対称性は、先の資料等を参考にしますと、

c(全)d  (全)e  (半)f(全)g(全)a  (全)b  (半)c

この音階のgから下降して作るミラースケールです。

g(全)f  (全)e♭ (半)d(全)c(全)b♭ (全)a♭ (半)g

です。この構成音を見てください。下の音階はGのフリジアンですが、これが見事Cナチュラルマイナースケールの構成音になるわけです。かつ同じ音程展開で。

 

きっと「なんでgなんだろう???」

って思うはずです。これが理論家によるカラクリなんです。

gは「cの完全五度音だ」「cに属する一番の右腕」。などと色々と機能和声論に相通じるところを「トークとして活用して」このようなバランスに”個人が決定した”だけです。そもそも論ですが、

G7→Cは成り立ちません。勝手に我々がそう意識の深いところで決めてしまっているだけです。

だからネガティブハーモニーのこの対称性はあくまで、一つの選択肢に過ぎず、どの音を対称性の真ん中にしてもそれなりの音楽性はできます。

 

cとgを関係させてしまう時点でネガティブハーモニーは機能和声の論理にすいこまれていきます。この方法論は「機能和声論が絶対の常識」という観点から作られている、という時点で、その有用性が評価されると同時に、より現代的な音楽観に進化させる必要性をすでに孕んでいるんです。

(本当は逆向きにした時にC△とCmが対応するように配置するためです。ただ反対にするとCフリジアンですから、これはFmです。これでは微妙なので、Cmを作り出すために人為的に四度ずらしてGフリジアンを作った、という発想で理解しても結果は同じです。絶対的にこの写像でなければならない、という訳ではない理由は下記の動画で示しています。この辺を触れるのはタブーである、という人もおられるでしょう。)


ネガティブハーモニーの展開〜浜辺の歌

 

その3へ続きます。

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