音楽教室運営奮闘記

不定調性論からの展開紀行~音楽と教育と経営と健康と

音楽制作・勉強

音楽的な違和感との付き合い方-不定調性論的違和感論??-

音楽的な違和感、と云うものがあります。 ・人ぞれぞれ感じるところ、程度が違います。 ・やがて慣れます。 ・たとえ完全に理論的な間違いでも、リリースされた作品なら、しばらく聴いていると慣れます。 ・「これは無理!」と思うのは主観です。 だから法律…

十二音技法/不定調性時代における音遊びの究極形4

前回 www.terrax.site 前回まででP(O),I,R,RIが揃いました。 あとは作っていくだけ。 こうやって3つの誘導形を配置して12音が被さらないようにすれば、どの位置でも12音がある程度自在に出てくるような感じしますね。使える音も3倍!苦労も3倍! シェーン…

十二音技法/不定調性時代における音遊びの究極形3

前回 www.terrax.site 十二音技法では、基本となる音列を「Prime」と言います。 シェーンベルクの書簡集ではOriginalとも言っています。私はPrimeと習いました。Oと使うべきだったかも知れません。 そして12音音楽を作るために、音列のバリエーションが用…

十二音技法/不定調性時代における音遊びの究極形2

前回 www.terrax.site 前回作った音列を見てみましょう。 (音列1) ローカルルールが様々ありますが、 ・なるべく音列の順番で出現させる (シェーンベルクは基礎音列に聞き手が馴染んだ楽曲後半においては入れ替えを伴奏声部で多少許容しても良いのではな…

十二音技法/不定調性時代における音遊びの究極形1

この記事はレッスンでのご希望ご指摘を受け、あくまでレッスンのお時間を短縮するための予習復習補填を兼ねた考察です。 ここではレッスンでお話しする内容以外の「現代における十二音技法スタンスとの付き合い方」という視点中心に描いてみます。 十二音技…

不定調性進行/名もなき進行感〜調性システムの外縁にある世界

Dm7 G7 CM7の和音進行を事例に不定調性進行の作り方を列挙します。 不定調性進行がもつ感覚(コード進行感)は、浮遊した曖昧なコードをいくつか並べながら時折少しわかりやすい進行感を持つ連鎖を挿入することで仮想の帰着感を作ることで作り上げます。 こ…

瞑想に代わるもの〜音楽制作で考える脳科学44

同じトピックはブログ内を「音楽制作心理学 」で検索してください。 前回 www.terrax.site 同書最後です。同書は専門家のインタビューを多く含めながら脳を鍛えるための様々なエビデンスを提示し、話題を提供してくれます。直感について調べようと思って買っ…

「学習する」の定義と観察と未来〜音楽制作で考える脳科学43

同じトピックはブログ内を「音楽制作心理学 」で検索してください。 前回 www.terrax.site David A. Kolb - Wikipedia デイビッド・コルブ氏(ケースウェスタンリザーブ大学名誉教授)の学習の4ステップの定義は有名ですね。 学習サイクルには4つの段階があ…

なぜ音楽理論を勉強しても曲ができないのか〜音楽制作で考える脳科学42

同じトピックはブログ内を「音楽制作心理学 」で検索してください。 前回 www.terrax.site この記事の表題は、 「なぜ音楽理論を勉強しても曲ができないのか」ですが、これは要点をまとめた表現です。つまり、その人が音楽理論を等して音楽を学べる素養がな…

直感の鍛え方と役立たせ方2〜音楽制作で考える脳科学41

同じトピックはブログ内を「音楽制作心理学 」で検索してください。 前回 www.terrax.site 同著書もこれで最後です。紹介した話の他にも、なぜ海外で軽い風邪にかかるのか(異国の地での万が一に備え、どうでも良い風邪を治すのに免疫機能を使うのを脳が控え…

直感の鍛え方と役立たせ方1〜音楽制作で考える脳科学40

同じトピックはブログ内を「音楽制作心理学 」で検索してください。 前回 www.terrax.site 同書の内容に沿いながら、できるかぎり普段から別途時間を使わずストレスなくできる方法を書いてゆきます。 しっかり感じる まず簡単なのはこれです。当ブログでも書…

生きてるだけで丸儲け/黒い蝶と白い蝶〜音楽制作で考える脳科学39

同じトピックはブログ内を「音楽制作心理学 」で検索してください。 前回 www.terrax.site 人類が賢くなりすぎると、それぞれが自分の能力を過信することになり、他人の能力に期待したり、頼ったりしなくなる。そのように、社会的協力体制や社会のまとまりが…

直感の法則から見る「日常感」〜音楽制作で考える脳科学38

同じトピックはブログ内を「音楽制作心理学 」で検索してください。 前回 www.terrax.site 綺麗な花の写真を「見せ」られて、それが花だと判断するのは、直感的判断である。この場合には、直線的な判断力をまったく必要としない。青い背景に、ピンク色の花び…

『孤独のグルメ』の"あの音"で考える音の心象

www.tv-tokyo.co.jp ついにシーズン10がスタートしましたね。 今回はシリーズ通して深夜に響くあの音について語ってみましょう。 なおこの記事での音程表記にはDAWで出力したままに基づいて音程名をつけてます。理論的スタンスの深い意図はありません。減五…

音楽制作に"危険"を潜ませる工夫?〜音楽制作で考える脳科学37

同じトピックはブログ内を「音楽制作心理学 」で検索してください。 前回 www.terrax.site 不定調性論では直感的作曲を行うことに注目しています。 楽器を弾きながら、ピントくる、街を歩いていてピンとくる、制作作業をしながら「あ!こうしよう!」と思え…

テッテレテーテー・テッテー!〜コミカルリズムの系譜? cakeworkからピコ太郎まで

www.youtube.com とある野球動画でアウトコール(相手方のアウトに合わせて流すファンファーレ)を聞いて、あれ、これどっからきてるんかな、とふと思ったので調べてみたらなんかいろんなことが繋がってしまって嬉しかったみたいな妄想記事です。 真面目に受…

もっといい作品/演奏を作るにはどうすればいいですか

"普段クラシックギターで即興演奏をやっているのですが、もっと良い演奏をしたいと思っているのですが、どうしたらいいでしょう?" 私が答えられることではないのですが、これは普遍的な問いだな、と感じました。 皆さんも時々「もっとこうなりたい」「次ど…

(基礎)差音/ 加音表〜様々な方法論のための参考表

cとの差音〜9オクターブまとめ表 このページではト音記号のこのドの音がc1(通例のc4)です。ご了承ください。 紛らわしくてすみません。 計算の仕方は少し下に書いてあります。 差音一般化表 差音表の読み方 引かれる音-基準音のc=差音 です。 この和音の構…

抽象的な音表現を理解する融和感分析の方法〜不定調性論的進行理解の方法4

前回 www.terrax.site 和音は転回するだけでも雰囲気が変わります。 ましてや組合せれば、無限の構成が可能です。 次はどうでしょう。Dm7 G7の後のコードを感じてみてください。 Dm7 G7 |D△/C△ | D/Cはリディアンコードと呼ばれる明るく透明感のあるサウンド…

抽象的な音表現を理解する融和感分析の方法〜不定調性論的進行理解の方法3

前回 www.terrax.site このブログに来るようなみなさん"イキスギコード"はご存知ですね? Dm7 |Gaug/C# |CM7 || がわかりやすいですね。 Gaug/C#=Baug/C#=D#aug/C#と捉えて表記する場合もあります。 ちょと展開してみましょう。 Dm7 |Gaug/C# |CM7 |Aaug/D# …

進行感分析の方法〜不定調性論的進行理解の方法2

前回 www.terrax.site いくつかやってみましょう。 C |G |D |A | C |G |Bb |F :| この進行が二回繰り返されます。ビートルズ的な特殊進行です。これを進行感で分析してみてください。 C |G | G |D | D |A | Bb |F :| まずこの四つはI→Vですから、単品での進…

進行感分析の方法〜不定調性論的進行理解の方法1

例えば、 C |Eb | F |Ab :| この進行を機能和声アナライズしてみてください。 それぞれの方法論で表記法や解釈は異なるかもしれませんが、こういう感じに書くのが機能和声のアナライズです(アドリブする人はコードスケールも書いたり)。 機能和声とは、調…

ポール・マッカートニーの作曲法と不定調性論/Paul McCartney Reveals his Songwriting Secrets - BBC Radio "Sold on Song"

ポールマッカートニーが自身の作曲方法をラジオで語ってる、という動画を教えて頂いたので、聞いてみました。 www.youtube.com 要は、 ・作曲の瞬間のフィーリングを大事にしたいから、いちいち色々考えない ・タイトルのアイディアとかフレーズのアイディア…

コード分析を通してわかること〜コードアナライズ作業周辺について丁寧に考えてみよう

膨大なコード分析をやってきて思うことです。 自分では分かっている気になります。 「自分が知ってる範囲」をわかった気になる性質が脳にはある、ということです。 また、音楽など、すべてを掌握した分かったつもりでやらないと表現などできません。知識に偏…

「楽曲分析」と「練習」。どっちをどうやる?丁寧に考えてみよう

一小節を分析するのに30分かかる、というのは"音楽分析における音楽の聴き方"です。通例の和声分析もこれに該当します。「一音一音に意味を当てがいストーリーを作る作業」です。 映画の数秒のワンシーンでも膨大な時間がかかっています。それらの特典映像…

「音楽に正解はない」を丁寧に解釈してみよう

これも音楽の先生方が御一人御一人丁寧に考えておくと色々迷わない問いです。 音楽を捉えるやり方は人それぞれです。 その人の正解がその人にとって輝き、その人に力があると、それを時代の正解にすることもできます。正解はない、というのは真実かもしれま…

「音楽理論に基づいて曲を作る」ということに違和感がある人

音楽を理論的な手法に"基づいて"作る、という行為に漠然とした違和感がある方がいます。 その理由の裏にあることとして ex... ・自分が楽譜が読めないから(音楽理論に詳しくないから)、理論を語る人が嫌い。 ・安易に理論を使うのではなく、より努力した経…

日本のジャズ理論の原点「ジャズ・スタディ」渡辺貞夫著

教えることはある種の束縛をすることであり、音楽することは楽器の上で自由になることを意味します。"Jazz Study"によってあなたになんらかの束縛をすることになる知れません。しかしそれを知った上で、あなたが幅を広げて自由になることを期待するのです。 …

「視点」の話〜心理的協和と心理的不協和を考えてみよう

今回はWindowsの「ペイント3D」を使って視点の違い、相手の視点を理解する、というお話しします。 www.microsoft.com この四つを四つの和音のコード進行と考えてください。 黒い縦線は小節線です。 この進行が美しいか、調和がとれているか、調があるか、よ…

Human Music Translation AIにできないこと=人間自身が造るものを創ること

これからは人が造るもの自体が貴重になっていきます。 音楽もどんどんAIが作れるようになっていきます。 ただAIにはどうしても作れないものがあります。 それは生身の人間自身が造るものそのものは当然AIが作ったものではない、ということです。 つまり嘘と…