音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

「期待の科学」4

ピグマリオン効果

単純に言うと、先生が期待をかけた子の学力は実際伸びる、という実験結果の効果の事です。

   

 

 これは研究結果より、私の経験を述べたほうが良いでしょう。

これは先生のほうが「この子は本当にできる!伸ばしてあげたい」と心から信じているかどうかが重要です。その信念でその子に対する行動や掛ける言葉に小さく大きな差が生まれてくるからです。

メソッドとして「褒めれば育つ」というのではありません。

・いいところを見つける

・いいところに気づかせようとほめる

・それに反応してくれる

・その反応を好意的に受け止められる

・自分に何が出来るか考える時間を割く

・熟考したことを話す。

・良い返事がある

・実行する

・結果が出る

というサイクルがすべてうまくいかないとなかなか困難です。

一部成功して、あとで上手くいかなくなる、という事も良く起きます。

これは互いの相性とか、褒められるとやらなくなる性格とか、慣れてくると新鮮さが無くなって飽きてくる性格とか、実際自分の身に不幸が起きてしまった、とかそういうことが起きるからです。

 

だから1年に一人でも、その人に一回でも上記のような奇跡が起きれば、講師は幸せだと思います。私はおかげ様でいくつも一年の中でそうした成功体験を得ています。

それでも一瞬の油断で、人間関係がぎくしゃくする、なんてことはよくあります。そんな時は、その瞬間に立て直さないとダメです。また次回、とか言っていると、その一週間で人はいろいろイメージし勝手な判断に走ってしまうからです。子供ならなおさらです。

 

教育はその人の良い所を見つけてあげて、伸ばし、サポートしてあげれば後は勝手に自分が頑張りますし、奮起する姿に家族全員がサポートしてくれます。

その状況を講師はいくつ作れるか、が仕事の目的なわけです。

 

そこには様々な要因があり、何が影響するか分かりません。

本書にも書いてありますが、例えば、そのキッズと出会ったのが真夏で、気を使って冷たい飲み物を出してあげたとしましょう。するとそれがあとあと小さなイメージになり「この人=冷たい人」となったりして、いざ冷たい態度みたいなものが出てしまった場合、そのイメージは確定されます。予期せぬことですね。

 

そんなこと絶対予測できません。我々は教師という立場ですから、そういうことが一番影響することを知っています。だから考えますし、普通の人間関係で良し、というわけではありません。友人ではないのです。家族ではないのです。踏み越えられない一線を残すからこそできる事がある立場が教師という立場だと思います。

なんて偉そうなことを書ける身分ではありませんが、実は堂々と自分の信念に邁進するにはこのくらい自信がないとどこかで弱くなってしまうので、こういう態度は必要だと思っています。

 

     

笑うから気分が良くなる

気分が良くなるから笑うのではない、笑うから気分が良くなる、という現代心理学の考え方を「認知の具現化」といいます。

お笑い番組を見ようと思うのは

→元気になりたいから

ですよね。一つ大きな理由は。そしてその番組を見て、笑おうとしますよね。

つまり番組があなたを笑わせようとしているのではなく、あなたが笑おうとしているのに対してお笑い番組を利用しているだけです。

 

実際に、明日家族が死ぬかもしれない、というときにお笑い番組を見て元気になろう、とかいう人は殊勝です。また見ても実際に笑える人は素晴らしいです。

なかなか難しいですよね。

「自分、今、笑っていいのかな」

って思ってしまうと思います。つまり自分で判断しているんです。

 

だから率直に、何もなくても元気になりたければ、笑えばいいんです。笑顔になればいいんです。それで元気になる、という発想です。下記にその科学的根拠のデータを引用します。

 

2010年のカーニー・カディ・ヤップの実験が掲載されていますので紹介します。

何人かの被験者に、体が大きく見える姿勢、または小さく見える姿勢を1分間取ってもらって、その後唾液の分泌物の検査をする、というもので、調べるのはホルモン物質で、

気持ちが萎縮したときに出る「コルチゾール」

自信に満ち溢れているときに出る「テストステロン」

です。結果は皆さんの予想の通り。体を丸めていた人は、コルチゾールが増え、テストステロンが減ります。大きく見せようとした人はその逆。またそのホルモンのためか、様々な質問にも大きく体を見せる姿勢を取っていた人は肯定的な回答をしたそうです。

こういうのは昔の哺乳類としての生存本能に帰属するんじゃないですかね。

相手を威圧するためには体を大きく見せて威厳に満ちていないといけないとか、危険なものから自分を守るためには、「天狗」になっていたら思った以上に強かった相手にやられてしまうし、時には従順にすることで相手から見逃しを受ける、と言った生存本能のような気がします。

 

この問題点を考えれば、

「天狗になる」

とその人は、そのホルモンのせいで、「ミスをした時に生じる不利益」を感じづらくなる、というわけです。

だから"調子に乗っている人"はホルモンのバランスのせいで、そうなっているのであって、上手にサポートしてあげる必要があります。

そのために「そんな事やってるといつかしくじるぞ!」というように言っても逆効果ですよね。「自分はそんな風にふるまったら、いつか失敗してしまいそうで怖いんだけど、君は凄いね、なぜだい?」って聞くのが良いと思います。

相手は考え、議論することを望みます。その話の中で、あなたが「彼が天狗になる事で被る不利益」を十分に議論することで、あなたには何の不利益もなく、彼だけに問題が生じるなら、無視してもいいですし、逆に互いにとっての利益になるなら、暴走しても良いでしょう。また互いの不利益になると彼が気が付いて、少し落ち着いた考えを示してくれるなら、それもまた吉です。なかなかそんなアドバイザーはいないでしょう。

これはホルモンの問題なのです。何か自分が凄くなったわけでも、偉くなったわけでもなく、体内物質がそう思わせているだけです。それは気持ちのいいものなので、それが「切れる」までは突っ走るでしょう。若い時はそれで被る不利益より、学びのほうが多いのであまり気にする必要もないですが、この「天狗」には「嘘を平気でつく」「道義心に欠ける」といった症状も出るそうなので、そういうタイプの人に変貌したら厄介ですね。でもそうなると挫折への道も早いので、ほおっておいた方が良いかもしれませんが笑。

 

これらのことは研究でも確かめられているそうです。

詳しくは下記を。

「期待」の科学 悪い予感はなぜ当たるのか 

 

 成功のカギはブドウ糖

成功のカギはポジティブシンキングでも、引き寄せの法則でも、心のメソッドでもなく、それらの思考のエネルギーの根源であるブドウ糖である、という答えを読みながら感じました。

自制心のエネルギー源も「ブドウ糖なのでは?」という心理学者の考えかたが掲載されています。

まあ人生の行動と思考のエネルギーの根源は脳の働きですから、脳を動かすためのブドウ糖の必要性は理論的にも納得ですよね。

 

ある一つのことを我慢して自制心を消耗した人は、続く筆記試験の結果が良くない、という結果が載っていました。

 

そうなるとやっぱり大事なのは「食事」となります。

我々の体は自分が食べたもので出来ているので(不食の研究とかありますけどね)、体に取り入れるエネルギーや栄養素は大事なのでしょう。まあこれも納得。

しかしここにもプラシーボが関わっていて、栄養ドリンクを飲むと、その効果が適切なエネルギーになる前に元気になる経験、というのを誰でもしています。薬もそうですね。様々な実験で「○○すると自制心が長持ちする」と吹聴して実験すると確かにそういう結果が出ているそうです。

 

個人差があるでしょうが、やはりこういう「意識の問題」はとても大事で、これも笑えば元気になる、という理屈を証明しているように思います。

 

いろんな考え方を述べてしまいましたが、結局は「自分のコントロール」です。大きな船を操縦しているわけです。しかも広大な海にいるわけではなく、その人生という海は、浅瀬があったり、渦を巻いていたり、前途多難です。だから休むことなく脳は操縦しなければなりません。それをコントロールするのが「自我」なわけです。だからいろんな経験をした方が、自分を知ることができるし、対処もできます。

逆に、他人のどんな経験を聞いても参考にならない、というのも分かるでしょう。

自分で経験して自分の場合を知らなければ対処できないからです。

 

少なくとも、「自分はやれる」「落ち込んだら笑ってみる」「自分は健康になる」という三点から脳をコントロールしていくと、取り急ぎトラブルは乗り越えられそうですね。

 

この本は久しぶりにブログでは紹介できないぐらい大量な情報を持っている良本でした。ぜひお求めください。10倍の金額を払って買う価値があります。

「期待」の科学 悪い予感はなぜ当たるのか 

 

ノーシーボ効果

プラシーボ効果の逆の用語です。1961年ぐらいから使われた用語だという事です。

筆者はこの効果についての研究に注目していますが、私もこれは重要だと思います。

悪い予感がなぜ当たるのか、「これは毒だ」と言われたらプラシーボの反対の効果が起きる。失敗すると思えば失敗する。不幸になると思えば不幸になる。

という事の脳のからくりが理解できるからです。

同書には様々な実験結果が載っています。

プラシーボが起きるなら、自分が不幸になる、と思ったら絶対になりますよね。そのくらい生命体というのは、脳の操縦にコントロールされている実験結果が多数出ているからです。

 

シーソーの一方がプラシーボで、一方がノーシーボである、と同書では書いてあります。間違いないでしょう。一方に重きを置くべきです。どうせなら良い方が良いですよね、でもシーソーですから、安定しません。それが普通なのでしょうね。

かつ生存本能というのがありますから、失敗しないようしますし、自己にならないようにする文、ノーシーボ効果の方が重いように思います。

音楽だって、俺はいい曲が書ける!

って思っているから書けるんであって、何となくじゃできません。

つまりそういうことにエネルギーを使っているのだと思います。そしてどんな状況でも好転させたいと思うときは、プラシーボ効果を引き起こすように潜在意識はプログラムされているのではないかと思います。

 

集団心因性疾患(MPI)

一種の集団ノーシーボ効果です。誰かの不安が人から人に伝わり、皆がそれらの予感を現実化してしまう、という表現されていました。これも実はかなりの割合で世の中に起こっているのだと思います。逆のプラシーボで組織の力が最大限に活用されていうく、ということもあるでしょう。赤穂浪士にしても、新撰組にしても、白虎隊にしても、はたまた江戸幕府にしても、現在の先端企業にしても、様々な思想に感染し、知らず識らずに思考に組み込まれ、良きにつけ悪しきにつけ、集団でそれらの思想が掲げられ、実践されていく、ということなのかもしれません。

この辺も日頃からよく観察してないと、自然と影響を受けてしまいますよね。

まずはこの言葉だけでも覚えておきましょう。

オーケストラだって、バンドだって、アイドルグループとファンの組織だって、これがなければなかなかポジティブに続けられないと思います。

一人で音楽をやる大変さは、このMPIが良い方向で起きる可能性が少ないからではないか、とすら感じます。よくよく状況を考えて、利用できるものは利用する、そういう精神が新しい「音楽組織学」というような学びの場になっていくのではないか、と思います。